いつもとなりにいた人が…nekonezumiのブログ

2020年6月、いつもとなりにいた人が脳梗塞で虹の橋を渡りました。あっという間の出来事でした。

最後の kiss

今日、ふと思い出しました。


一番最初の kiss のこと。


旦那さんと私はずっと以前から顔見知りで、


ひょんなことからお付き合いをすることになったのですが、


最初のデートは13年前のクリスマス・イブの日で、


ある街に、クリスマスのイルミネーションを見に行きました。


街中で奇麗に光るイルミネーションの下、


あの年は雪はまだだったのかなぁ…、そこは覚えていないんだけど、


恋人同士には本当にロマンチックで素敵な夜でした。




そしてその時初めて、


すご~く軽めのフレンチキッスを


"チュッ、チュッ、チュッ💓"と3回したのです。


なんかデレデレとのろけちゃっていますが、


全然いやらしくなくて、可愛くてリズミカルなキッスだったので、


とっても嬉しくて、「きゃあ💓、チュッ、チュッ、チュッだって💓」と


しばらく思い出しては喜んでいました。(ははは。)





コロナのせい? コロナさえなければずっとそばにいられたのでしょうか。


あの日の朝6時前、病院からの電話が鳴って旦那さんの死を知りました。


朝早く道路はすいていて、


病院へは、おそらく30分もかからずに到着したのだと思います。


その時間ですので病院のエントランスに人の気配もなく、


バタバタとひとり廊下を走り、SCUに急ぎました。


看護師さんに案内されて入った病室に、


旦那さんは静かに横たわっていました。


看護師さんはすぐに私たちを二人きりにして下さったので、


多分、比較的、二人の最後の時間を噛み締める事ができたのだと思います。




「ありがとうね」と声をかけたり、頬やおでこや髪をなでたり、


しばらく二人きりの時間を過ごしました。


旦那さんと私が特に親しかったお友達が二人いたので、


旦那さんの横で、携帯からひとりずつ電話し、


旦那さんの耳に携帯をくっつけて、お別れを言ってもらいました。


友達は男女一人ずつだったのですが、


男性同士の別れはさっぱりとすぐ終わり、


女性の友達は泣きながら、しばらく長い時間お別れを言ってくれていました。





電話も終わり、そろそろほかの親族も見える時間で、


二人っきりの時間がもうすぐ終わりそうだったので、


私は旦那さんと、最後の kiss をしました。


"チュッ、チュッ、チュッ💓"とお別れの、軽めのフレンチキッス。


まだくちびるはちゃんと暖かく、そして、やわらかでした。

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