最後の kiss
今日、ふと思い出しました。
一番最初の kiss のこと。
旦那さんと私はずっと以前から顔見知りで、
ひょんなことからお付き合いをすることになったのですが、
最初のデートは13年前のクリスマス・イブの日で、
ある街に、クリスマスのイルミネーションを見に行きました。
街中で奇麗に光るイルミネーションの下、
あの年は雪はまだだったのかなぁ…、そこは覚えていないんだけど、
恋人同士には本当にロマンチックで素敵な夜でした。
そしてその時初めて、
すご~く軽めのフレンチキッスを
"チュッ、チュッ、チュッ💓"と3回したのです。
なんかデレデレとのろけちゃっていますが、
全然いやらしくなくて、可愛くてリズミカルなキッスだったので、
とっても嬉しくて、「きゃあ💓、チュッ、チュッ、チュッだって💓」と
しばらく思い出しては喜んでいました。(ははは。)
コロナのせい? コロナさえなければずっとそばにいられたのでしょうか。
あの日の朝6時前、病院からの電話が鳴って旦那さんの死を知りました。
朝早く道路はすいていて、
病院へは、おそらく30分もかからずに到着したのだと思います。
その時間ですので病院のエントランスに人の気配もなく、
バタバタとひとり廊下を走り、SCUに急ぎました。
看護師さんに案内されて入った病室に、
旦那さんは静かに横たわっていました。
看護師さんはすぐに私たちを二人きりにして下さったので、
多分、比較的、二人の最後の時間を噛み締める事ができたのだと思います。
「ありがとうね」と声をかけたり、頬やおでこや髪をなでたり、
しばらく二人きりの時間を過ごしました。
旦那さんと私が特に親しかったお友達が二人いたので、
旦那さんの横で、携帯からひとりずつ電話し、
旦那さんの耳に携帯をくっつけて、お別れを言ってもらいました。
友達は男女一人ずつだったのですが、
男性同士の別れはさっぱりとすぐ終わり、
女性の友達は泣きながら、しばらく長い時間お別れを言ってくれていました。
電話も終わり、そろそろほかの親族も見える時間で、
二人っきりの時間がもうすぐ終わりそうだったので、
私は旦那さんと、最後の kiss をしました。
"チュッ、チュッ、チュッ💓"とお別れの、軽めのフレンチキッス。
まだくちびるはちゃんと暖かく、そして、やわらかでした。