旦那さんの好物
先日も書いたけど、
戴いた菊の花、まるで小料理屋が開けるほどの量です。
「霜が降りそうだったから全部ちぎったの。よかったら貰って」。
今の若い人たちって、菊の花を食べる習慣がないんですかねぇ。
みんな、別の野菜は喜んで貰ったのに、菊の花はさっぱり売れませんでした。
結局、私がすっかり引き受けることになっちゃって、
ひぇ~、一人暮らしで消費できる量じゃないよ~と思いながら、
袋に入った黄色い花びらを、4つも5つも貰ってきていました。
今日、帰って来てから、全部とりあえず湯がいて冷水に取りました。
本当は湯がくお湯に酢を垂らすと色がよく仕上がりますが、
ひとりで食べるんだし、鍋が金属製なので変色を避けるためにそこはカットです。
鍋のお湯を3度変え、大量に茹でてザルに上げた花びらは、
水けを絞っても、大きめのタッパーにたっぷり1個分。
だけど職場で教わった通り、
「かんたん酢につけると美味しいよ」だそうなので、
そこは手間を省くため、
帰りに買ってきたかんたん酢に浸すと、
ちょっと甘めだけど、なかなかおいしい菊の花の酢の物ができあがりました。
小さな小皿にとって、まずは旦那さんにお供えです。
旦那さん、酢の物が大好物だったのです。
酸っぱいもの全般、好きでしたが、
一番好きだったのは、シンプルに、キュウリとわかめの酢の物でした。
私も一緒に暮らすようになって、最初のうちは時々作ってあげてたのだけど、
私自身がそんなに酢の物が好きじゃなくて(失笑)、
しばらく作ってないなぁ…と思ってたら、
食べてくれる人が、この世に居なくなっちゃってました。
「こんなことになるんだったら、もっと頻繁に作ってあげてたらよかったな」。
でも、そういう事を考え始めると、ごめんなさい…と後悔の涙になるので、
「でも、ありがとねって言って成仏したんだから大丈夫。
私があの世に行ったら、たくさん酢の物作ってあげるから、問題ないの。」
と、最近は考え方を切り替える努力をしています。
今頃、旦那さん、天国からこっちを見て、
「おおお~、強くなったなぁ」と褒めてくれてるかもしれません。