いつもとなりにいた人が…nekonezumiのブログ

2020年6月、いつもとなりにいた人が脳梗塞で虹の橋を渡りました。あっという間の出来事でした。

時間


痛みを伴わずにだんだん普通になってゆくんだなぁ、と、ある意味、実感です。




実は少し前に、職場に、うちにあった傘を一本贈呈(?)したのです。


私たち職員は、いつも通用口から社屋に入るのですが、


表口から外に出る用事がある時、雨の日に傘がないと困るんですよね。


だから家にあった使ってない傘のうちの一本を、


「皆さんもどうぞ使ってくださいネ~」と、


職場の表口に置くことにしたのです。


家には、私が買った覚えのない男傘が3本もあって、


間違いなく旦那さんのものではあるのだけど、


彼が使ったのを見たことのないチェック柄の傘を贈呈しました。




チェック柄? と、贈呈する前に気づくべきでした。


大人の男性が使うにはちょっと勇気が必要と思われる傘です。



職場に持っていって、実際に雨の日に初めて使ってみて、


やっと気が付きました。


傘には小さく名前が書いてあったのです、しかも、ひらがなで。




要するに、旦那さんの一人息子の傘でした。


つまり、前の奥さんとの一人息子。


文字で書くと、なんか、おどろおどろしくなっちゃいますけど、


私もその息子さんに会ったことがありますし、彼はもう普通に社会人です。


おそらく小学生か中学生の時に使っていた傘なんだと思います。


そして、それをお父さんが持って来ていたらしいのです。





皆さんもどうぞ使って…と贈呈した傘に、マジックペンで名前が書いてあるのはどうにも恥ずかしいので、


ささっと、上から黒く塗りつぶしました。


言い方を変えれば、遺品に手を加えたわけですが、


(旦那さんの名前が書いてあるわけではないけど)、ちょっと前だったら、かなり抵抗があったか、できなかったと思います。


だって仮にも、旦那さんが大事にしていた傘なわけで。





だけど今日は、


名前に気が付いて、アッと思って、すぐサササッと消しちゃった。


迷いも何もなかったです。


油性ペンのキャップを外しながら、


軽い罪悪感と、


自分の判断に驚きながら、


「時間が経ったんだなぁ」としみじみ感じた今日でした。


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