いつもとなりにいた人が…nekonezumiのブログ

2020年6月、いつもとなりにいた人が脳梗塞で虹の橋を渡りました。あっという間の出来事でした。

nekoさんがひとくち。旦那さんもひとくち。

仕事の帰り、無性におなかが減りました。


旦那さんがいなくなってから、


特に急いで帰って晩ご飯を作る必要もなくなったから、


家に着いたらまず、お風呂に入ってそれからお弁当を食べる生活です。


そのほうがのんびり過ごせるから好きです。




なので、仕事帰りにお腹が減って動けなくなるのは、できれば避けたい。


それで、お弁当と一緒に月餅を一つ買いました。


何か甘いもの食べれば少し動けるよな…と思って、


小さいお饅頭でも一つ買おうと思い、お菓子コーナーを見ていたら、


おいしそうな月餅があったので、ひとつだけ買いました。


今こんなの食べたら夕飯が入らなくなるよなぁ…と思いながら、


クルマ運転しながら一口食べ、


その瞬間に、


いつもずっと、ひとつしかお菓子がないときは、


2人で分け合って食べてたことを思い出しました。


ひとくちずつ、なんでも分け合って食べてたんですよね。




おかずはいつも一皿盛りにしていました。


私は、家族だからひとつのお皿から仲良く食べたかったので。


でも、旦那さんは、一皿盛りから家族で突っついて食べる…という経験を


今までしたことがなかったんだそうです。


また、前の奥さんが潔癖症だったそうで、その時は、


家族で鍋をつつく…ということも、ありえなかったんだそうです。




だから旦那さんは、2人で一つのお皿から食べることや


2人で鍋を囲むことを、とてもとても喜んでくれました。


そして、ひとつのお菓子を2人でかじる…なんて、


「生まれて初めてだ」と言っていました。




「ああ、この月餅も2人で分けたかったなぁ…」と思って寂しくなりました。


夕ご飯が入らなくなるから、月餅は半分だけ食べました。


駐車場にクルマを停めれば、家の窓はカーテンも開いたままで、


暗く、し~んとしています。


以前だったら、たいがい旦那さんのほうが早く帰ってきてて、


「お帰り~」と言って外まで迎えに来てくれたり、


そうでないときも必ず玄関まで出てきて、


荷物を受け取ってくれました。





玄関のドアを開ければ、誰もいない暗い空間です。


朝、出て行ったまま。


何の気配もない暗い空間です。


ついこの間まで温かい生活があったのに。


お帰りと笑顔で迎えてくれる旦那さんがいたのに。


あの日、突然終わってしまいました。

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