nekoさんがひとくち。旦那さんもひとくち。
仕事の帰り、無性におなかが減りました。
旦那さんがいなくなってから、
特に急いで帰って晩ご飯を作る必要もなくなったから、
家に着いたらまず、お風呂に入ってそれからお弁当を食べる生活です。
そのほうがのんびり過ごせるから好きです。
なので、仕事帰りにお腹が減って動けなくなるのは、できれば避けたい。
それで、お弁当と一緒に月餅を一つ買いました。
何か甘いもの食べれば少し動けるよな…と思って、
小さいお饅頭でも一つ買おうと思い、お菓子コーナーを見ていたら、
おいしそうな月餅があったので、ひとつだけ買いました。
今こんなの食べたら夕飯が入らなくなるよなぁ…と思いながら、
クルマ運転しながら一口食べ、
その瞬間に、
いつもずっと、ひとつしかお菓子がないときは、
2人で分け合って食べてたことを思い出しました。
ひとくちずつ、なんでも分け合って食べてたんですよね。
おかずはいつも一皿盛りにしていました。
私は、家族だからひとつのお皿から仲良く食べたかったので。
でも、旦那さんは、一皿盛りから家族で突っついて食べる…という経験を
今までしたことがなかったんだそうです。
また、前の奥さんが潔癖症だったそうで、その時は、
家族で鍋をつつく…ということも、ありえなかったんだそうです。
だから旦那さんは、2人で一つのお皿から食べることや
2人で鍋を囲むことを、とてもとても喜んでくれました。
そして、ひとつのお菓子を2人でかじる…なんて、
「生まれて初めてだ」と言っていました。
「ああ、この月餅も2人で分けたかったなぁ…」と思って寂しくなりました。
夕ご飯が入らなくなるから、月餅は半分だけ食べました。
駐車場にクルマを停めれば、家の窓はカーテンも開いたままで、
暗く、し~んとしています。
以前だったら、たいがい旦那さんのほうが早く帰ってきてて、
「お帰り~」と言って外まで迎えに来てくれたり、
そうでないときも必ず玄関まで出てきて、
荷物を受け取ってくれました。
玄関のドアを開ければ、誰もいない暗い空間です。
朝、出て行ったまま。
何の気配もない暗い空間です。
ついこの間まで温かい生活があったのに。
お帰りと笑顔で迎えてくれる旦那さんがいたのに。
あの日、突然終わってしまいました。