1年と11ヶ月
しばらくぶりで、職場の元同僚だった女友達から電話が来ました。
いつもし~んとしている我が家が、私の笑い声で満たされました。
笑うといっても、同じ職場に勤めていた同士だから、
あの拠点がどうのとか、あの上司がどうのとか、
オバサン二人のよもやま話ではあるのですけどね。
でも大笑いして、「あ~楽しかった、笑ったね」と電話を切った後、
ふと、遺影の写真の中で、旦那さんが喜んでくれているような気がしました。
私の笑い声なんて、しばらく聞いたことなかったはずなのです。
仕事から帰ってきたら、テレビをつけて、ひとりで黙々と夕飯を食べて、
たまに独り言を言ってみたり、
テレビを見てクスリと笑ってみたり、
いつも、そんな生活だから、
この家で、大声で笑ったことなんて、しばらく無かった気がします。
だから今日、私自身も、「あぁそういえばしばらくぶりで笑ったわ」と思ったけれど、
旦那さんも、久しぶりで私の笑い声を聞いて、嬉しかったろうなと思いました。
今日で、旦那さんがあの朝駐車場で倒れてから、1年と11ヶ月経ちました。
1年11ヶ月前の今ごろは、もう意識はなくて、
ICUのベッドのひとつに横たわっているだけでした。
最近思い出して、考えると、
あの後、意識が戻らずにそのまま天に召されたのは、
彼自身の選択だったのだろうな、と、最近納得するようになりました。
神様に、「どっちを選びますか?」なんて聞かれて、
「あ、こっちが良いです」なんて言って、「さっと逝く」ほうを選んだのかな、なんて。
上手に言えないんだけど、彼らしい逝き方だったと思うのです。