いつもとなりにいた人が…nekonezumiのブログ

2020年6月、いつもとなりにいた人が脳梗塞で虹の橋を渡りました。あっという間の出来事でした。

プチトマト

前にも何度も書いているけど、


旦那さんがいなくなってから、キッチンに立つのが嫌になりました。


(旦那さんが生きているときは、一応作ってたんですよ。


決して上手じゃないし、簡単なものしか作れなかったけど、


旦那さんは(他に言いようがなく?)「おいしいよ」と


よく言ってくれたものです。)


でも、旦那さんがいなくなってからは、料理は一切作らなくなってしまいました。




旦那さんがいる頃は、仕事から帰っていれば


私が料理を作っている間、たいがいそばにいたものです。


椅子に座ってテレビを見たり、仕事をしたりしていました。


だからいつも料理をしていたら、


背中のほうから何かしら音が聞こえたり、声がしたりしてて、


いつも安心できる温かい空間がありました。


食事のあとは、洗い物は手伝ってくれるから、


シンクのところに2人並んで、


くだらないお喋りを楽しみながら、食器を洗い、片付けます。


そんな普通の日常が、あんな幸せな日常が、


あの日を境にいきなり消えてしまったのです。




ひとりになってから、思い出すのが嫌で、


キッチンに立って、ふと後ろを振り向いたときに、


誰も座っていない椅子を見るのが嫌で、


私が料理を作る音のほかは、何も音がしなくて、


料理を作っても、一緒に食卓を囲む人はいず、


「おいしいね」と笑顔で言ってくれる人はいず、


そんな悲しい日常はなくて、だから料理は作りません。




昨日、健康診断に行ったら、栄養士さんから指導を受けました。


「料理をしたくない気持ちはよくわかります。お辛いんですね。


では、お弁当は、おかずの種類がたくさん入っている幕の内弁当がいいですよ。


もしよかったら、一緒に納豆でも買ってきて食べてみてはどうですか?」


お弁当と一緒に納豆は、今一つ食べる気にならないけれど、


今日はスーパーで、


お弁当のほかにプチトマトをひとパック買い求めました。


しばらくぶりで食べてみたら、なんと美味しいプチトマト!


以前自分で作るお弁当には必ず入れてたので、


プチトマトの味が口に広がった瞬間に、


あの日以前の記憶がよみがえりました。

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