いつもとなりにいた人が…nekonezumiのブログ

2020年6月、いつもとなりにいた人が脳梗塞で虹の橋を渡りました。あっという間の出来事でした。

リフジン様

入院していたころ、34歳イケメンくんとは、


バカな話をたくさんして、随分笑ったものでしたが、


お互いに、笑えるあだ名をつけたりもしました。




何かの話をしていて、私が彼に、「それは理不尽というものでしょ!」と言った時、


「だから、オレはリフジンという名の神なんだ。」と言ったのです。


それ以来、彼のあだ名は「リフジン様」になったし、


彼が私につけたあだ名は「イ・ソジン」になりました。


私ことイ・ソジンは、リフジン様の第一秘書です。


ちなみに「イ・ソジン」は韓国人の設定なので、発音もその感じ。


「リフジン様」については、リフジンは、リムジンと同じアクセントなのだそうです。


時々お互いにあだ名で呼び合っては、笑いの種にしたものでした。




昨日、会った時、


「なんで電話くれないの?」と私が聞いた時に、最初に彼が言った言葉を、今日になって思い出しました。


「俺はリフジンだから、理不尽なことしかしないんだよ。」と言ったのです。


その言葉を思い出したとき、なんだか少し救われた気がしました。




そうか。昨日、私が「あなたは、なんで電話くれないの?」と聞いた時に、


理不尽なことを私にしているという意識があったんだ。


私から電話番号を受け取って、


私に「非通知でよいから、電話が欲しい」と言われて頷き、


「電話をかけるの、そんな未来の話でよいの?」と私に問い直した。


それなのに相手に電話をかけず、1ヶ月待たせた挙げ句「かける気はない」という。


でも、それが、相手に対して理不尽な行いだと、


あなたは自覚していたんだね。







ちなみに「理不尽」を電子辞書で調べたところ、以下のように書いてありました。



「理不尽」とは、筋道の通らないことや、人として行うべきではないやり方をすること、因果が矛盾していて納得できないことなどを意味する。また論理の「理」、無理の「理」から、論理的に考えれば間違っている行動、無理無体、といった意味もある。


「人として行うべきではないやり方をすること」だってさ。


なるほどね。


ふふ。「人として」だってさ。


あんた、私にどれだけひどいことしたか、ちゃんと言葉の意味わかってるの?





彼の言葉を思い出して、とりあえずほっとしたのは、


「理不尽だと気付いているなら、私に対して少なからず、良心が痛むところもあるんだろう」と思うからです。


それなら私も少しは仇を取ったような気になるというもの。


それに、(ここらへんが恋、悲しい理不尽。)、どんな形であっても、あの人の中に私が居続けられる、しばらくの間。




でも一方で、もうひとつ、別の意味でほっとしている私が居ます。


いくらストイックだの、冷血だのと言われても、


自分のやっていることが「理不尽なこと」だと気が付ける人だったんだということです。


例えば潔癖性とかサディストとかが、理には叶わない事なんだと。
でもしかし、自分の欲望を抑えられない?
それはある意味、弱い自我を防衛する手段でもあるわけだから。


「あぁ良かった。やっぱり彼は、私と同じ種類の人間だ」。


……、今さら、親しみ感じたってしょうがないじゃないのよ、と、ひとりの私は言うけれど、


もう一人の私は、まだ彼との未来をあきらめることができないでいます。

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