忘却
気が付くと、もうすぐ旦那さんが亡くなって4年になります。
まぁ、あとひと月とちょっとありますけど。
そしてそろそろ、ぼんやりし始めてるのね。
いろんなことの記憶が。
今日、久しぶりで『丸美屋の麻婆豆腐の素』を使って麻婆豆腐を作ったのです。
作ったといっても、”素” に豆腐入れるだけだよ笑。
だけど簡単な工夫が一つあって、我が家はニラを入れるんです。刻んだニラ。
それが、旦那さんの大好物だったんです。
(だからちゃんと写真の前にも供えたよ。)
実はこれは、別の彼氏からの伝授なんですよね。
え?別の彼氏??
うん。 旦那さんと知り合うずっと前の、まだ学生だった頃の彼氏です。
その人が割と料理好きな人でさ、
『麻婆豆腐は丸美屋の辛口に限る。ニラ1束を炒めてそこにソースを作り、煮立ったら豆腐を加える』のだそうで、
だから私は、自分で作る麻婆豆腐は絶対、今でも丸美屋の辛口を使ってます。
ずっと、律儀にその後何十年間も。
(麻婆豆腐の素なんか買ってこないで自分で作れっつーの。)
必ず豆腐と一緒にニラも一束買って来て、
旦那さんにもよく作って、食べてもらってたんだけど、
そういえば、これが本当に旦那さんの好物だったのかどうか、
記憶が薄れて、ぼんやりとしかわからなくなっちゃいました。
「あれ?確か、好きだからまた作って…なんて言われてた記憶もあるんだけど、
そういえば、最後のほうはあんまり作ってなかったよな。
本当に好物だったのかしら? それとも私の記憶違い?」なんて、
2人で過ごした時間が、だんだんあやふやになってきています。
それともうひとつ、時々あれ?と思うのが、
「これ買ったの、旦那さんが亡くなる前だったかしら? 後だったかしら?」という問題。
例えば、家の小物とか、私の洋服とか、です。
あの人が見て知ってるものなのか、亡くなった後に買った物だから知らないものなのか。
亡くなって3年目くらいまでは、そういうの、しっかり覚えてたんですよね。
「いや、これは旦那さんが知らない(私の)洋服だ。」とかね。
「これはあの時買ったから、旦那さんが知ってるお皿だ」とか。
そういうことって、当時はかなりしっかり覚えていて、
そういう記憶はずっと続くものだと思ってたのに。
だけど、そういうのも、あやふやになってきたんです。
私の老化現象?も絶対あるけど、
つまり、それだけ時間が経ってしまったという事なんだと思います。
これからも、
時間と共に、
年齢と共に、
私は旦那さんに関するいろいろなことを、忘れていくんだと思います。
なんか、それってすごく寂しい。
悲しい現実です。