いつもとなりにいた人が…nekonezumiのブログ

2020年6月、いつもとなりにいた人が脳梗塞で虹の橋を渡りました。あっという間の出来事でした。

狂女の恋

この短期間に、ふたりの人に恋をしたことは書きました。


ふたりめは、つまり2つめの病院…回復期リハビリテーション病院に移ってからの恋だったんですが、


彼は作業療法士で、ひとりめの人と同じくリハビリの先生でした。



でも、とても若い。


34歳のボク、です。


思い出せば、回復期病院で最初に会ったとき彼のイケメンぶり(松坂桃李クン似)や、話題作りのうまさに少し驚いて、


「8つ下の想い人が居なければ、私、この人に惚れてるかもな。


だけど、まるっきり自分の子供世代だしなぁ。」なんて思った記憶がありました。




ひと月くらい、そのまんまの状態で、私の想いは8つ下のイケメンのほうに向いていましたが、


実はある日、事件が起こりました。


事件と言ったって、私の中だけの事件、だけどね。




34歳のボクが、…と言っても、たまにチラリと甘えるそぶりを見せるだけで、


(そこがメッチャ可愛いんだけど)、


「ボク」とか呼んでるけど、普通の青年です。…と、その日までは思ってたんだけど。




その日のリハビリの最中、彼はなんの前触れもなしに、いきなり、


サディズムの話をし始めたのです。


えええっっっ!と内心驚きながら、でも平静を装って彼の話を聞きました。


いや、そんなリアルな行為(?)の話じゃないんだけど、


でも、江戸時代には道具がないから竹を割いて使った…みたいな


非常にマニアックな話をしたのです。





なんでまたいきなり…という驚きとともに、


そんな内緒話(?)を私にしてくれたことがちょっと嬉しく、


でも最終的にはリアクションに困って、


私、大笑いしてしまったのね。「うわぁ~、変態じゃん」とか言いながら。


(私が「変態じゃん」と言ったら、


「変態? ふふふ。そう、変態だよ。」と含み笑いをしたカッコよい34歳イケメンに、


私はその時、なんだか足をすくわれてしまったのです。




(あ、でも私、マゾとかそういう性癖はないですよ。


そこらへん、いたってノーマルです笑笑。))




そして、その日の別れ際、彼は私に、


「さっきは大人の対応、ありがとう。」と、いつもの精悍な顔をして言った時、


「あぁ、きっと、この人のサディズムはホンモノだ」と思うとともに、


最終的にその一矢で、私は魂を射抜かれてしまったのでした。





でも流石に私には、歳の差だけは抗えない…と手放したところがあり、


私は最後まで、お姉さんが可愛い弟を愛でる(?)姿勢は変えませんでした。


好きだ、なんて絶対一言も言わなかった。


だけど雰囲気は彼に伝わってしまっていて、


彼は私のことを、ひとが居ない時には「おねえさん」と呼んだし、


電話番号渡した時に、「オレ、明日からもっと大人になったほうがいいのかな」なんて言ってみたり。(きゃあ恥ずかしい。)(「オレ、あんた色に染まりますよ」と私には聞こえました。)


それに、退院したら電話するだの、近くに来たら会うだの会わないだの、


そんな話にはなってたんですよ。入院していた時には。




だけど、ダメですね。会わなくなると。


結局、そろそろ1ヶ月になるけど、彼からの電話はありません。


私の年齢を考えて、彼も現実に引き戻されたんだと思います。


そして私も、あり得ない話に酔っ払うのに、そろそろ疲れてきました。




実は来週の火曜日、


東京から帰って来た次の日ですが、


義足の調整をするために、彼のいる病院に行くことになりました。


…というか、私が今日、思いついて、急に行くことにしたのです。


装具屋さんに電話をしようと思いついた時、


その背後には、イケメン君の姿がちらついていました。


彼に会う理由づけに、装具屋さんに行くことを利用する、と言ったら正しいのかな。


(装具屋さん、ごめんなさい!)


でも、イケメン君の休みは不定期なので、会えるか会えないかは当日までわかりません。





装具屋さんに電話をした後しばらくして、


「いったい私は何をやってるんだろう。」と、自分がわからなくなってしまいました。


「装具屋さんを騙してまで、34歳の男の子と…。あんたはいったい何が目的なの?」。


もちろん結婚など望む筈もないし、


お付き合いとか肉体関係とか、そういう事に向ける精神的なエネルギーって


年齢とともに少しずつ枯渇してきていて、


どちらかというと、似ているのは、


推しのアイドルの追っかけおばさん。だったりします。笑。




そして、彼もまた、私への気持ちはどうにしろ、


現実的に無茶なことを割り切って、


だから電話をかけてこないのだろうと、悩んだ挙句そう思うことに決めました。




なので、来週の火曜日の病院への訪問は、


この恋を終わらせて、自分の気持ちに整理をつけるため、と決めました。

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