どん底の体験
家に帰って来てみたら、
ドアのポストのところに、1枚のはがきと、ちょっと分厚めな封筒が入っていました。
はがきは、この間お金を振り込んだ、アパートの火災保険の手続き完了の知らせ。
そして封筒は不動産からのもので、
火災保険の更新を見届けての、「賃貸住宅更新契約」の書類一式でした。
つまり、このアパートの名義を旦那さんから私に変更してから、
もうすぐ2年経つ…ということです。
人って、身近な人が亡くなると、おかしなテンションになるものなのですね。
あの日、私もまるで覚せい剤を打ったみたいに、めちゃくちゃなハイテンションになってしまって、
(本物打ったことないからわからないけど)、
確か旦那さんが亡くなった当日のうちに、
亡くなった為に手続きをしなければならない幾つかの事を、
全部やり終えてしまった記憶があります。
アパートの名義変更もその一つでした。
本来の自分は、このテの事がとても苦手なのです。
実印なんて言われたって、どれが実印だったかも忘れてたりするし、
作らなければならない書類が何枚もあると、
もうそれだけでクラクラしてくるような私です。
(いま現在も、更新の書類を前にして、まさにそんな気分でいます。)
なのに、あの時の私って、まったく別の人格にでもなったようで、
顔の神経がまるで固まってしまったように、何の表情もないまま、
そういった事務的なことを、テキパキと(何の感情もなく)こなしたものでした。
あの時の思いは、まさに正常ではなかったです。
いつもの私だったら、あの状況で、できるわけないのに。
あの異常な心理と言うか、どん底の体験を、
もう二度としたくありません。
今思い出しても、寒気がします。