いつもとなりにいた人が…nekonezumiのブログ

2020年6月、いつもとなりにいた人が脳梗塞で虹の橋を渡りました。あっという間の出来事でした。

ミッション コンプリート

1ヶ月と少し前、回復期の病院を退院した時に、


リハの先生たち(主にリフジン様)と、いくつかのミッションを約束していました。


長距離歩行の習得のために、


自宅近くと隣県の、幾つかの大きなスーパーセンターに買い物に行くことと、


それから上野動物園とその近くの美術館を巡ること。


その中でひとつだけ、隣県の中核都市にあるスーパーセンターにだけ、まだ行っていませんでした。


もう療養期間はそろそろ終わるし、実行に移さないと未完に終わってしまいます。


なので、


年末ぎりぎりだし、おそらく1年の内でも相当混雑する今日ですが、少し前から行く予定にしていました。






ミッションの話の時、リフジン様に「店に行くだけじゃなく、なにか目的を持って。」と言われていて、


今日行く予定のスーパーセンターでは、まくらやさんに、入院以前に買ったまくらのメンテナンスを頼むことを目的にしていました。


まくらのメンテナンスって、結局その高さを調節したり中材を替えたりしてもらうのです。


だから、まくらが入ったでっかい袋を一つ下げて、高速に乗っかって出かけたわけですが、


あの店、広いから歩くんですよね~~。





駐車場にクルマを停めて、そこからエレベーターまでがまず遠いし、


目的の階についてから、まくらやさんは端っこにあるから、また歩く。


それにわざわざ隣県まで高速使って来てるんだから、まくらだけで帰るってないでしょ。


だから、洋服を見たりアクセサリーを見たり、歩く、歩く、歩く。


そしてとどのつまり、帰りに駐車場でクルマをどこに停めたかわからなくなったりするから、


(そこらへんが、私。)


買い物に行っただけで、かなりの歩数を歩きました。(だけど、帰ってきてからまたちゃんと歩行訓練、歩いたよ。)


だから、足がもうパンパンです。


でも、まくらやさんでは丁寧にメンテナンスをしてもらったから、


今日からはまた、高さがきちんと調節された寝心地の良いまくらで寝られそうです。






つまり、これですべてのミッションはコンプリート。




あぁああ、そうか。コンプリート、か。




コンプリート、しちゃったか。 リハビリのミッションが、ぜんぶ終わっちゃった。




なんだか、気持ちがしんみりしました。





そしてその瞬間、…ここが私の優柔不断なところなのですが、


終わったことを報告するために、一瞬、リフジン様に電話をしようかと考えてしまったのです。




もう会えないけど、彼の声だけ聞いてもよいのじゃないか。


そしたらお互い笑って話せるんじゃないか。 


仲直りして、また楽しい時間を共有できるんじゃないのか。


(電話って不思議ですよね。


電話だと、話し相手と2人だけの時空間になるから、お互いが妙な距離感になる。


私なんか好きな相手と話したら、たぶんそれだけでもうコロッといっちゃって後の祭り。)


でもすぐ、「あっ」と気が付いて、自分の気持ちにストップをかけました。


そしてその瞬間、不思議なことに、


なんだか「もう、いいよ。もう会えないし、話せないけど、もういいわ。


彼とのことはもう終わり。」と、(今日の時点だけかもしれないけど)思えたんです。






すべて終わった。 あとは前を向くだけだ。


(後ろは決して振り返らないぞ、と。)


そんなことが、今のこの心境で、私にできるのだろうか。


よくわからないけど、前を向くしかありません。






それにね。


私、今日、まくらのメンテのほかに、


実はコートとイヤリングをふたつ、買って帰って来たのです。


コートは20パーセントoff!


イヤリングなんて買うの、ほんとに久しぶりです。


つまり、(久しぶりで?)ちょっとお洒落をしたいと思うようになったというか、


小奇麗にしてお出かけしたり、生活を楽しむ気分になったというか、


こんなことって、旦那さんが亡くなって以来、しばらく忘れていた気持ちです。






男性を好きになって、その恋自体は破れてしまったけれど、


でも失恋はしたけど、恋をした甲斐はあったぞ、と。


あの男性二人のおかげで、今、私には、


生き生き、ワクワクした気分だけは残ってる!


これってとても有難いこと。そして、不思議なこと。




この気分を忘れずに、しばらく過ごしていたいと思っています。

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