夫婦で虹の橋を渡る
今日、職場で利用者さんが亡くなりました。
私は介護施設に勤めているので、
利用者さんが亡くなる…というのは、割とよくあることなのですが、
今日亡くなった利用者さんは、私にとってちょっと特別でした。
夫婦部屋に入っている利用者さんだったのです。
ついこの間まで、奥様とお二人で仲良く過ごされていたご様子でした。
…と言っても、仕事場とは別の棟にいる利用者さんだし、
そもそも私は介護職ではなく事務職なので、
ご夫婦とは深い関わりはありませんでした。
ただ仕事上、間接的にはいろいろ関わっていて、
例えば買い物代行で買った品物のレシートは、その度必ずコピーを持ってこさせるような、
(他の利用者さんは、月末締めでの領主書類返却を待ってくれています。)
ちょっと…要求が強いと言うか、つまり、なかなかクセの強いご夫婦ではありました。
今日亡くなったのは、旦那様のほうですが、
実はついこの間、1月の末ごろ、奥様が先に亡くなられました。
その話を聞た時、私は他人事とは思えず、
旦那様を陰ながら応援していました。
もう高齢だし、生き残ったのは旦那さんのほうだけど、
どれだけ寂しい思いをしているのだろうな、と思うと、
何とか早く元気になってほしいという気持ちが強かったです。
ですが、やはり力を落とされたのでしょうね。
いくらご夫婦とも90歳を超えるご長寿だったとはいえ、
そこいらへんはあまり、年齢等は関係ないようです。
旦那様が入院されたのは4~5日前でした。
ヘルパーさんが「生きて戻ってくるのは難しいかもね」と言っているのを聞きました。
旦那様は「(奥様が)そこに立ってる。」とおっしゃられたそうで、
「奥様が迎えに来ているんだから無理だろうねぇ」と、ヘルパーさん同士で話をしていたそうです。
今日、旦那様は虹の橋を渡られました。
もう、「部屋にコピーを持ってこい!」と言われる事はなくなりました。
私も、旦那様は奥様に呼ばれたんだなぁと思います。
人って、死んだからって全てが無くなるわけでは決してないもの。
それは私、うちの旦那さんとの事で強く強く思います。
奥様が枕元に見えたり、迎えに来たり、
虹の橋を渡って再開できたり……。
今ごろは、もう奥様とお喋りでもしてるのでしょうか。
なんだかすごく羨ましいなと思ってしまっています。