おもいでの1ページ
旦那さんの大好物の一つが餃子でした。
ニンニクと、ショウガもたっぷり入った餃子です。
皮は買ってくるけど、とりあえず具は私のお手製です。
白菜よりはキャベツの甘みがあるほうが好きで、
ニラとかネギとかを入れて、一番よくあるタイプの餃子だったけど、
旦那さんは「おいしいねぇ」と喜んでいっぱい食べてくれました。
餃子大好きだから、餃子の日は、ほかには何もありません。
餃子オンリー。餃子だけお腹いっぱい食べるのです。
私が具を作り終えると、包む係は旦那さんです。
手際よくひとつひとつ包み終え、大皿にたくさんきれいに並べています。
皮2袋分、いっぱい作った餃子は、ホットプレートに全部並べて一気に焼きます。
しばらく待って蓋を取ると、
水蒸気と一緒においしい匂いが部屋じゅうに広がり、
じゅわ~~!と音がして、香ばしく焼けた餃子が並んでいます。
その様子が画像としてしっかり記憶にあって、
おいしそうに頬張る旦那さんの顔と一緒に、
なぜ、なぜ、こんなにはっきりと覚えているのに、
こんなにはっきりとした記憶があるのに…と、つい思ってしまいます。
今現在、ホットプレートは旦那さんが閉まった場所…戸棚の上のところにそのままあって、
たぶんもう使うこともないのだろうなぁと思っています。
(私がすっかり元気になって、「ひとり焼肉」でも始めた場合は別ですが笑)
なんか、そう考え始めると、この家には多分もう、使うこともないものが山ほどあります。
旦那さんのもの(……遺品……)は別にしても、
ホットプレートをはじめとして、鍋ももう絶対やらないし、
晩ご飯を急いで作れるように買ってあった市販のソースとか、
食品関係だけじゃなくって、押し入れの中にも、たんすの中にも、
ひとり暮らしじゃもう使わないものが、山ほどあって、
なんだか考えようによっちゃ、ゴミ屋敷状態みたいなものかもしれないな、
なんて思ってしまったりしています。