一昨年前の今日
一昨年前の今日、
私たちはこのアパートに引っ越してきたのでした。
といっても前に借りていたところから、おそらく数百メートルの距離です。
ちょっと理由があり、住居を変えることは私が言い出したのですが、
その後せっせと探し回って今のアパートを見つけてくれたのは、旦那さんでした。
前のアパートと同じくらいの家賃なのに、
前に比べて部屋は広いし、駐車場から部屋までも近いし、
日当たりなど環境も良いし、近くに店もたくさんあるし、
ふたりとも、見てすぐここ…と即決で決めたほどでした。
それからは忙しくって、
あちこちの店に行って、家具やカーテンを決めたり、
引っ越し準備で箱詰めをしたり。
引っ越しは、旦那さんが続けて休めるお盆にしたのです。
私も引っ越し当日と次の日は連休を申請して、準備万端でした。
楽しかったなぁ。
広くて新しい(←リメークしたて!につき)部屋に、
ふたりともウキウキワクワクしてました。
……だけど結局、1年も住まないで逝っちゃいました。
まるで足の悪い私のために、
外階段もなくて、駐車場から部屋までが近い今のアパートを、
自分が死ぬ前に探してくれたようで、複雑な気持ちになります。
アサガオの蔦をはわせるために、ベランダにちゃんとネットも貼ったのに。
種をまく前に逝ってしまいました。
アサガオの種まきって、だいたい5月中にやるのだそうですね。
背中の痛みのために、種まきができなかったのかもしれません。
ネットの下のプランターには土も入っていて、
あとは種をまくだけの状態になっていました。
あれから2年が経ち、今日はお盆の入りの日です。
ここに住み始めてからは、もう、ひとり暮らしのほうが長くなっちゃいました。
お花は一昨日、取り換えたばかりだったので、
今日は、旦那さんの好きなお菓子でも買ってこようと、
お盆にはちょっと似つかわしくないのですが、“うぐいすパン”を買いに行きました。
アンパンでもなく、カレーパンでもなく、何故かうぐいすパンなのです。
生前も時々、うぐいすパンは朝ごはんに出していて、
実は倒れた当日も、朝食に食べてもらおうと、前の日に買ってきていたのでした。
だけど、食べてもらうことはできませんでした。
倒れた当日、救急病院から一人で帰って来て、
旦那さんが飲み残した麦茶のコップと、食べなかったうぐいすパンを見て、
強い絶望感に襲われた覚えがあります。
お医者さんから、予後がおそらく期待できない事を聞いていたので、
彼はもう、うぐいすパンを食べることも、麦茶を飲むことも、
無いだろうと想像がついたから。
想像は、そのとおりになりました。
私はしばらく食もままならず、その時のうぐいすパンは結局ゴミ箱に行っちゃいました。
だから今日、改めてうぐいすパンを買ってきて、お供えしました。
それから、甘党の旦那さんが好きだったマンゴー味のプリン菓子もお供えし、
ついつい私用に、おはぎも買っちゃいました。
結局は近日中に、全部私のお腹に入ることを考えて、ちょっと後悔しています。苦笑。