時間
一昨日は12年ほど前まで暮らしていた土地に、
用事があって行ってきました。
そこで、もう多分14~15年ぶりに古い友人に会いました。
最初はお互いニコニコして、
お互いが元気だったことを喜び合い、
「変わらないわねぇ」なんてお決まりの挨拶をしていたのでしたが。
一旦その場を離れて、しばらくお互いバラバラに過ごして居たのですが、
その後、トイレでばったりまた顔を合わせたのですね。
女子トイレの手洗いカウンターの前で2人向き合って、
そしたら彼女は急に、
「この間主人が亡くなったの。今日で77日なの」。
あぁと思いました。
だから青ざめたような顔色をしていたのか。
10年以上ぶりに会った旧友だが、
互いの思い出を温め直す時間など彼女にはなかったのだ。
悲しみを吐き出す相手として選んでくれたのは、
私もまた、彼女と同じ気配を漂わせていたのかもしれなかったです。
でも、つくづく感じました、
同じ苦しみはみな平等にあるのだと。
77日目というと、
私が最も苦しかったのは、
49日が終わった後辺りから半年目くらいまででしたので、
彼女ももしかしたら、今が一番辛い時期かもしれません。
何を言っても慰めにはならないことは、
私自身もとてもよく知っていました。
ですがそこが人間で、通じないとわかっていても言ってしまう。
「私も旦那さんを失った時は本当に辛かった。
だけど、少しずつ少しずつだけど、だんだん元気になるわよ」。
だんだん元気になるかどうかなんて、そんなこと、わからないです。
実際心の病に陥ってしまう方も一定数いらっしゃいます。
私はたぶん、自己満足というか、
自分を納得させるために言った言葉なのだと思います。
ですが、それを知っていても、言わずにはいられない、
悲しさと淋しさが彼女から感じられました。