思い出したとたん、壊れそうになりました
朝仕事に行き、職場の同僚が話をしているのを何気なく聞いていて
「最近、ゆずの木に実がなり始めたなぁ」と言っているのが聞こえました。
あぁそっか。そんな季節か。
旦那さんはお風呂にゆずを浮かべてゆず湯にするのが大好きだったっけ。
思い出したとたんに、
それがもう二度と戻ってこない過去になってしまったのだと気づいて、
なんだかとても現実的に大きな喪失感を感じて、愕然としてしまいました。
毎年必ず、どこからか知らないけれど、たくさんのゆずの実を手に入れてきて、
お風呂に10個も20個もゆずを浮かべて、湯に浸かったものです。
温まるんですよね。
それに、暖まったゆずをすこし握ってグチュッとやると、
とても良い香りがお風呂じゅうに広がります。
一度旦那さんがゆずを仕入れてくると、
だいたい3~4日はゆず湯に浸かるのですが、
私はだんだん飽きてきて、
「もうそろそろ、いつものバブに変えようよぅ」なんて言い出したものです。
冬になると、そうやって毎年一度か二度、必ずゆず湯で楽しんだものでした。
あぁ。
もう、ふたりでゆず湯に浸かることもないのか。
握ってグチュッとやった時のあの香りが、とても懐かしい。
せまい湯舟ですが、ゆずがいっぱい浮かんでいて、
お風呂に入りながら両手にゆずを一つずつ持って、
軽く握って匂いを嗅いで…。
あの幸せな日はもう二度と戻ってこないのか。
二度と帰ってはこないのか。
なんだか急に、すごく具体的に
失ったことの大きさが身に沁みました。
涙が出て、出て、止まりません。
帰りのクルマの中で、多分今までで一番大きな声で
泣き叫び、怒鳴りまくり、喚き散らしました。
なんで逝っちゃったのよ。
どうして置いて行っちゃったの。
あたし寂しくて仕方がないよ。
どうしたらこんな辛い気持ちから抜け出せるの。
助けてよ。助けに来てよ。苦しいよ。
これから私ひとりで何の喜びもなく生きていくなんて、
辛すぎるよ。
助けてよ。