「夢物語、だったんだなぁ」と思いました。
だから先週、主治医に「紹介状、書こうか?」と言われて断ったんだと、
自分で合点がいきました。
夢物語が終わっちゃうのが嫌だったのです。
要は、
受傷時からリハ病院を退院するまでの間、
ふわふわした夢物語を私は紡いでいたのですね。
すっかり現実離れした夢物語を。
だから、急性期病院への通院が無くなることで、すっかり100%現実に引き戻されてしまうのが嫌だったんです。
いつまでも、いつまでも、現実に戻りたくなかったの。
ずっと夢の中に居たかったんです。恋というおもちゃで遊びながら。
確かに現実離れしていました。
私は患者さんなので、病院ではその組織に社会参加はしていませんものね。
病院での社会って、つまり頂点に院長、副院長が居て、その下に部長クラスの医者が居て…て、
そしてその、どちらかといえば真ん中ぐらい?にリハビリの先生とかが居るんでしょ?
でも。その図式の中に、患者さんは入っていませんよね。介護施設の利用者さんと同じような立場です。
つまり、患者さんってすごく気楽で、組織とか立場とかそんなめんどくさいこと考えなくてよいんですよ。
だから私も二つの病院とも、自分のそのまんまが出せたんだと思います。
だから楽しかったよ。
めっちゃ天国でした。
ナースと喋っているときも、リハビリ室で施術を受けているときも、いっつも笑ってばっかりいましたもの。
「楽しい人ですねぇ」とか「人間力がある」なんて最高級の誉め言葉を戴いたこともありました。
だけど、そろそろ夢物語も最終章です。
目を覚まして現実に戻らなければなりません。
歳が我が子ほど離れた、現実離れした浮世の恋も終焉です。
(できるかなぁ。)