いつもとなりにいた人が…nekonezumiのブログ

2020年6月、いつもとなりにいた人が脳梗塞で虹の橋を渡りました。あっという間の出来事でした。

あの場所で思ったこと

5ヶ月弱ぶりに旦那さんが息を引き取った病院に行きました。


…と言っても、健康診断が目的です。


皮肉な話ですが、


今日は私が健康に長生きするために、


旦那さんが亡くなった病院に行きました。


そのことも手伝って、


精神的にだいぶ揺さぶられた一日になりました。





大きな総合病院ですから、


私が健康診断を受ける場所と、旦那さんが入院していた場所はかなり離れています。


入院していた…といっても、たった3日間ですけどね。


離れているといったって、正面玄関や総合受付は今回も通るわけだし、


ため息をつきながら面会時間を待ったコーヒーショップは


今日も開いていました。




私が今日行った健診棟は正面玄関から左に入ります。


旦那さんが運ばれたICUと、息を引き取ったSCUは、


正面玄関から入って右側の棟にあります。




だけど、あの病院独特の雰囲気はどこの病棟も同じでした。


ちょっと生暖かい体感温度の空気で、


洗いざらした包布の匂いというか、


消毒液とかの薬品の匂いも混じっているのかもしれませんが、


あの病院特有の匂いというか空気で、リアルに5ヶ月弱前を思い出してしまいました。




病院に運ばれてすぐ、強い薬を使わざるを得ずそのために意識を失い、


その意識は最期まで戻りませんでした。


でも、これもまた偶然かそれとも恵なのか、


倒れて運ばれた日が6月1日だったため、


コロナ禍によるICUの面会禁止が解禁になったその日でした。


ICUにいたのは一日で、次の日には


SCU(脳卒中集中治療室)に運ばれたのでしたが、


二度と目を覚ますことはありませんでした。




担当の医師からは、


もし仮に命を取り留めたとしても重い後遺症が…という話で、


それはもう、素人目に見ても容易に想像がつくことでした。


ICUの看護師から、今後についてどうするか家族の考えを聞かれたときに、


相当の後遺症が残ったとしても命さえあったなら…という希望を話しはしたけれど、


(それが私の真意で、今もそれは変わっていません。)


彼自身はあの逝き方で、とても満足しているんだと思うんです。


苦しみもせず、誰に迷惑かけるでなし、すーっと奇麗に逝っちゃった。


あんな格好のよい逝き方ってないですもの。


格好つけの旦那さんにとって、絶好の逝き方だったと思うのです。




そして私自身を振り返れば、


いくら後遺症が残ったとしても生き続けてほしかった…という考えは、


遺される側にありがちな考え方ではあるにしろ、


よくよく考えれば非常に自己中心的な、


自分さえよければよい…という考え方なんでしょうね。


旦那さんの本意がどうであったにしろ。




愛する旦那様に対して、私は最後までわがままな妻でした。

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