いつもとなりにいた人が…nekonezumiのブログ

2020年6月、いつもとなりにいた人が脳梗塞で虹の橋を渡りました。あっという間の出来事でした。

駐車場

朝起きて、窓から駐車場を見たら、


旦那さんがクルマを停めてた場所に、ほかのクルマが停めてありました。




うちのアパートは誰がどこに停める…というの、かなりアバウトだし、


借りてる駐車場は私の分1台にしたのだから別によいのだけど、


ここ半年ずっと、誰も停めてなかったのです。


だけど今朝、窓から外を見たら、見たことのないプリウスが停めてありました。




なんだかとても複雑な気持ちです。


何かが変わっていくのはそれ自体は良いことで、


前進している、というか、進歩している、という印象があります。


いつまでも悲しい気持ちのゼリーのなかにいて、


なま暖かく動きのないゼリーに包まれ続けるより、


変化するなかにいて、


飛び出て羽ばたき、いきいきと生きるほうが健康的だし好感が持てます。




だけど、何かが変わっていくのはとても寂しい私もいます。


私の旦那さんはもうあの時から私の人生には全く登場しないので、


旦那さんの記憶は薄まってゆくばかりで、


私の周りで何かが変われば、さらにさらに旦那さんの記憶は薄まっていってしまうような気がします。




だから気持ちは複雑で、


プリウスが旦那さんの駐車場に停まっていたのを、


とてもとても複雑な気持ちで眺めていました。




そしてさらに、そのスペースにクルマが停まったことで、


旦那さんがクルマの横に倒れていた画像を、とてもリアルに思い出してしまいました。


旦那さんは麻痺した右半身を下にして横たわり、


左腕を大きく動かして、


呂律の回らない言葉で大声で、


自分の状態を話したのです。


履いていた靴が脱げてしまい、それを履きなおそうとしたら倒れてしまったのだと。


おそらく自分の置かれた状況を、よくわかっていなかったに違いありません。


大丈夫だ、大丈夫だ、と、自分に言い聞かせていた。





もうもうあの時には戻れないけれど、


そしてあの時からずっと、私はこの家にひとりぼっちでいるけれど、


いろんな気持ちを感じながら、もうすぐあなたが死んだ年が終わろうとしています。

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