クリスマス・イブ
とてもとても恐れていた日でした。
たぶん年末、クリスマスイブの日に、
悲しみのクライマックスがやって来るのだろうと思っていました。
なぜなら13年前のクリスマスイブに私たちは初デートをしたのだし、
昨年のクリスマスイブの忘れられない思い出は、
ふたりであしかがフラワーパークにイルミネーションを見に行ったのです。
思い出すだけでも苦しくなる。
去年の今日、イルミネーション見たことなんか、
まるで昨日のことのようにありありと思い浮かびます。
それでなくても悲しいクリスマスなのに、
世の中コロナ、コロナと騒いでいるけれど、やっぱり年末は多くの人が幸せルンルンで、
クリスマスツリーだのイルミもそうだし、クリスマスソングも流れてるし、
キラキラしちゃって幸せ感いっぱいで、
それを見ると、言いようのない悲しさと、悔しさと、みじめさで、
余計に余計にせつなくなります。
仕事中も思い出してばかりいました。
だけど、旦那さんが助けてくれたのか、ヘナチョコやっちゃって、
それどころじゃなくなっちゃって、気が付いたらあっという間に帰る時間になってしまってました。笑。
帰ってきて、テレビに映っている人はみんな幸せそうに見えるし、
テレビはやめて録画したものを見ることにして、
撮り溜めてあるものを物色していたら、
旦那さんが、削除できないようにロックをしたものを見つけました。
録画したものはたくさんあるのに、ロックしてあるのは一つだけで、
だから却って強い思いを感じるというか。
こういう瞬間が、私は一番応えます。
何の心の準備もなく身構えがないときに、いきなり旦那さんの思いや面影を感じた時。
無防備な分、急に、のどが渇いたようなヘンな緊張感を覚えます。
録画は、割と何てことなく、近くの路線沿線の旅番組でしたが、
ロックしたところを見ると、いつかふたりで行こうと思ってくれてたのかもしれません。
こういう旦那さんの思いをふと感じた時、
そしてそれを確かめる術が何も無いと気付いた時、
もうもう絶対に手の届かない所へ行ってしまったんだなぁ…と
崖から突き落とされたような気持ちになります。
たぶんこれを喪失感というのでしょうね。