見守ってもらっていること
一緒に暮らしていた頃のことをいろいろ思い出していると、
旦那さんと出会えたこと、
ほんとに運がよかったんだなぁと思います。
生まれてから旦那さんと出会うまでの▼△年間と、出会ってからの12年間を比べたら、
まるきり別の人生を生きたような感じです。
出会う前は、なんだかいつも寂しいし、いつも満たされないし、
いつも欲求不満で、いつも他人と自分を比べて生きてきたような気がします。
だけど、旦那さんと一緒になってからの12年間、
長くもないけど短くもない12年間は、
ケンカもしたけど楽しくて、幸せでした。
いつも笑ってたし、イキイキ生きていた気がします。
そして気が付けば、ほんとうに、
私の▼△年間の寂しさや欲求不満の思いがきれいに消えたような、
まったく別の人生になったような12年間でした。
まだ旦那さんが生きていた頃、
会社で失敗して凹んだ気持ちで帰って来ても、
もうすぐアパートが見える小道に来た時に、よく、ほっとしたものでした。
「温かい家庭が待っているから、こんな時でも救われるんだよね。
でも、この幸せっていつまで続くのかな」と思ったことを覚えています。
いつか、優しい旦那さんが待っててくれる家は無くなるんだ。
(お互いの年齢を考えたら、多分残されるのは私のほうで)
いつかは、辛い気持ちで帰って来ても、逃げ込む場所は無くなるんだ…とは
わかっていました。
だけど、それがこんなに早く来るなんて思ってもいなかったけど。
今は、辛い気持ちで帰って来ても、またそうでない時も、
空気の動かない真っ暗な部屋に帰って来て、
まず真っ先に、
玄関の棚の上に置いてある旦那さんの写真に、ただいま、と声を掛けます。
そして、お線香をあげて手を併せながら、
今日一日、見守ってくれたことにお礼を言い、
あったことを報告したり、日によっては愚痴を言ったり、
少しの時間、旦那さんとおしゃべりをします。
結局、あの人が生きていても、生きていなくても、
私がひとりぼっちでないことに違いはないのだな、と思っています。
いつでも見守ってくれてる人がいて、
だから、以前と違ってバックボーンがしっかりしているというか、
ゆらがないというか。
旦那さんと出会う前とは、
確かに違った人生を生きているような気がしています。