死別者ブログを書きながら、年を越します。
勤めている老人ホームで、
満97歳になお客さん(お爺さん)が、「生きているうちに…」と、今年、生まれて初めて宝くじを買ったそうです。
だけど全部、空くじだったのだそうな。
「人生なんて、そんなもんだよ。」と、お爺さん。
ほぉっと溜息付きながら、「今年も生き延びたなぁ」と言っていました。
2年前の年越しは、
まさか2年後、ひとりで年を越す自分が居るなんて夢想だにしませんでした。
しかも、死別者ブログを書きながら年を越すなんてね。
運命なんて、ほんとうに予想がつかない。
でも、人生なんて、そんなものなのかもしれません。
友人からメールをもらいました。
「辛さや寂しさや、時に喜びや…。
あなたの一年は、一日一日、本当によくやってきた一年だったと思いますよ。」と書いてありました。
私はなかなか自分を客観的に見る…ということに慣れてなくて、
でも私、この一年間はほんとうに自分を褒めてあげたいです。
旦那さんのいない(ひとりぼっちの)一年間。
寂しいし、悲しいし、不安もあったけど、でも、何とかひとりで生きてきました。
これは、ある意味、強い自信になっています。
この自信は、旦那さんからのプレゼントだと思っています。
大みそかの晩ご飯は「ひとり鍋」で、ちょっと奮発して真鱈の鍋にしました。
真鱈を二切れと豆腐と春菊を小皿にすくって、旦那さんの写真の前にもお供えをしました。
生前、冬にはよく二人で鍋を囲んだっけなぁ。
あの人、火の通ったネギがキライで、
鍋もののネギは絶対よけて食べる人でした。
それを思い出したとき、「懐かしいなぁ」と微笑ましい気持ちになり、
クスっと笑ってしまいました。
亡くなった人を思い出して、微笑ましい気持ちになってにこにこと笑う。
1年7ヶ月が経ったからでしょうか。
思い出して、悲しい気持ちじゃなく涙でもなく、微笑む。
2022年を目の前に、初めて経験した気持ちでした。