何ヶ月ぶりかで、お風呂にお湯を溜めました。

本当は、今日あたりはまだシャワーでもいけるかな？と思ったのだけど、

ひとつ心配事（？）があったのです。

……うちの風呂給湯器は、しばらく使っていないとお湯にならないのです。

そうすると一度、わざわざ家の外に出て、給湯器のボタンを押しに行かなきゃならないのです。

（こんなこと、以前だったら、

お風呂の中から旦那さんに、「ちょっとぉ～、給湯器のボタン押して来てよ」と

頼めば簡単に済むことだったのに。）

今日みたいに帰って来るのが早くて、時間がたっぷりある日なら良いのだけど、

シャワーじゃ涼しい日に、真っ暗になってから帰って来て水しか出なかったら嫌なので、

今日は試しに、お風呂にお湯を張ることにしてみたのでした。

少しドキドキしながら蛇口をひねると、

今年はちゃんと、何もしなくともお湯が出ました。

そしてしばらくぶりで、

オルゴールみたいなメロディーと、

♬お風呂が沸きました ♫♪　という女性の声のお知らせ音が聞こえてきました。

……今日は反応してしまいました。

「あぁ、あの頃は旦那さんもこのメロディーを聴いていたんだっけな」。

心臓がキュッとして、ノドのところに飲み込みずらい何かができた気がしました。

だけど、気のせいか、

旦那さんが亡くなってからこのかた、

今日より前は、この音に反応した覚えがあまりないのです。

あの頃は、こんなに寂しく聞こえるメロディーを聞いて、何も思わなかったのかしら。

でも、よくよく考えれば、あの頃は、

家の中のあっちこっちに、旦那さんを思い出すものがたくさんあって、

それを見る度聞く度に、心臓がキュッとなって涙が出るから、

ひとつひとつの思い出グッズ（？）のことまでは、覚えてないのかもしれないな。

なんにしろ、この秋は「昭和レトロ」が寂しかったりする秋で、

その影響もあり、

これから少しの間、♬お湯が溜まりました ♫♪  を聞く度に、

ちょっとだけ心にすきま風が吹くかもしれません。