覚え違い
旦那さんと私の共通の友人から、
びっくりすることを聞きました。
つまり、私の記憶違いです。
亡くなる少し前だったのですが、
旦那さんがとても楽しみにしていた仲間内のイベントに
彼、参加できなかったのだと知りました。
私自身が、その年はそのイベントに参加する気がなかったため、
全然興味がなかったのです。
だから、そのイベントがコロナのために中止になったこと、
今まですっかり忘れてました。
5年に一度行なう予定になっている催しなのです。
その年は尼崎でやるはずだったことを、友人から言われて思い出しました。
全国から知り合いが集まるから、旦那さんはとても楽しみにしていて、
中止になったことを、とても残念そうに話してたって。
私も旦那さんから、中止になったことを聞いたはずだけど、
もともと興味がなかったのと、日常の生活に忙しくて、(まさか旦那さんが近いうちに死ぬなんて思いもしなかったから)、
覚え違いで、旦那さんはそのイベントに行ったものだと、ずっと思い込んでたのです。
今、当時の事を思い起こせば、
そういう催し物に、あの人一人で行く事って、それまではほとんどなかったのです。
だから、ひとりでも行くって聞いた時に「あれ?」と思ったのでした。
だけど、当時の私は、休みがまるっきり不定期的だったから、
私と一緒に行くのはあきらめたんだなぁ、と単純に考えてました。
だけどきっと、それだけじゃなかったんだと思います。
彼がその当時時々言ってた、予感めいたものが働いたんだと思います。
結局はコロナで中止になってしまって、
親しい友人に会えなかったのだから、さぞかし残念だったろうなぁ、と今になって思います。
中止になった時、ちゃんと思いやってあげればよかった。
…と、今ごろ後悔です。
だけどね。
そのうちみんなでそっちに行くんだから。
ひとり残らずそっちに行くんだから。
だからちょっとの間だけ、そっちで待っていてね。
そして、みんながそっちに行ったらまた、輪になっておしゃべりしましょうよ。
生きてる間に何があったか。
死んじゃってからは、何があったか。
みんなは、あなたの死んじゃってからの話を興味津々聞くでしょうから、
得意のスピーチで、みんなを笑わせてね。
そんな日が本当に来たら、すてきだなぁ。