いつもとなりにいた人が…nekonezumiのブログ

2020年6月、いつもとなりにいた人が脳梗塞で虹の橋を渡りました。あっという間の出来事でした。

スルー

前にも書いたことあったかもしれないけど、


今の職場からは国道を通って帰って来るのです。


職場から家までって、なかなか結構遠いのですが、


だいぶ家が近くになってきた辺りに、


高速から降りた道路が国道に合流するところがあります。


そして、その地点を通る時になると、


毎回必ず、旦那さんの事を思い出したものでした。


何故ってその場所は、


二人で楽しい旅行を終えて、現実の生活に戻る場所だったから。




どこか遠くに旅行に出かけた帰りは、たいがい高速を使うから、


最終日、旅行の最後に必ず通るのが、その国道との合流地点だったんです。


だから、旅行終わりにその場所を通ると、必ず、


「うわぁ~~、終わっちゃったぁ~。(明日からはまた仕事だ。)」と思うし、


旦那さんとは必ず毎回、その場所を通るたびに合言葉のように、


「楽しかったねぇ。またどこか、行こうね!」と言い合ったものでした。




そんな思い出の地点なので、


旦那さんが死んじゃって、私が仕事帰りに一人でそこを通る時も、


必ず毎回、そのことを思い出していたのです。




だけど、最近、思い出さない時が出てきました。


例えば、仕事の事や今日あった事を考えていたり、


例えば車載Wi-Fiで面白い番組を聞きながら運転していた時など、


気が付かないうちに通り過ぎて、あとから「あっ」と思うんです。


というのは、そこを通り過ぎてしばらくすると、


前に一緒に住んでたアパートも見えてくるからで、


さすがに今のところ、そのアパートをスルーしてしまったことはないけど、


その時点で、「あ。高速の合流のとこ、スルーしちゃった。」と気づくのです。




だんだん、だんだん、そういう事が増えてくるのだと思います。


旦那さんに申し訳ないような気持ちになるし、


気持ちが小さくなったような罪悪感を感じる場合もあるのだけど、


そのうちもしかして、一緒に住んでたアパートもスルーしちゃうときが来るかもなぁ。



だけどきっと、しょうがないんだよね。


私は生きてるし、あの人の時間は止まってるんだから。





でもだからって、大好きなことには変わりないし、


あっちに行ったらまた一緒に暮らすんだから、


だからいいんです。


旦那さんへの気持ちに変わりがあるわけじゃないので、


あんまり自分を責めないようにしようと思います。

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