ひとりで過ごす月命日
29回目の月命日でした。
今日は一日、雑事があって家に居たので、
ちょっと買い物に出たほかは、誰とも話をしませんでした。
旦那さんが倒れたあの日までは、
一日じゅうひと言も話さない…なんて、あり得ない話だったのにね。
朝起きた時「おはよ~。」から始まって、
帰ってきたら、「ただいま~」、「は~い、おかえりなさい」。
相手の声が聞こえ、自分の声も聞こえる、それが普通の生活だったのに。
人間の声って、聞いていると落ち着きませんか?
……というか、癒し効果があるというか、
本質的にα波が出るような気がします。
自分が発している声にしても、やっぱり聞くと安心する気がします。
……、だから、思いっきり、ひとり言が増えたんだと思います。
私、家の中で、始終ブツブツ、ブツブツ、ひとり言ばかり言っています。
だけど一人暮らしのひとり言って、すごく良い効果がある気がしているんですよ。
私は、ひとり言をつぶやく(時には大声!)ことで、とても元気が出ます。
「よ~し、頑張るぞ~!」とか、
「お! さ~すが私! 上手に出来たじゃん!」とか、
気力や勇気を奮い起こす、ひとつの大事なツールになっています。
さて話を戻して。
お昼近くになってしまったのだけど、
旦那さんにお花を買いに、スーパーに行きました。
お花のほかにも、何かお供えしようと見まわしていたら、
「大人のホットドック」と書かれた総菜パンを見つけました。
こういうの、ソソラれる人だったんですよねー、うちの旦那さんは。
多分きっと、辛いソースだから、大人の……なんでしょ。
だけどそれだけじゃなく、
商品が面白いネーミングだったりすると、気に入って買ってきたりする人でした。
お供えしようと思って、ひとつ手に取ってカゴに入れ、
他にもいろいろ買いたいものがあって、結局山盛りの買い物になっちゃって、
レジに行ってみたら…、ちょっとショックでため息が出ました。
底の方に入れてあった「大人のホットドック」、
押しつぶされて少し変形してたのです。 あちゃー。どうすっぺ。
考えた末に、
家に帰って来て、ラップで包み直して、
ついでにモールで赤いリボンをつけてみました。
旦那さんに手を併せながら、
…つぶれたパンでごめんちゃい。
…だけど、変わることない私の愛は、感じられるよね?
買ってきたお花は、花瓶に生けてお供えしました。
今まで飾っていた花のうち、まだ大丈夫なのは除けて、
湯飲み茶わんに活け直してリビングへ。
この湯飲み茶わんも本当はお揃いだったのですが、
ひとりになったら、私は元来コーヒー派なのでほとんどお茶は飲まないし、
旦那さんの茶碗は、見ると悲しくなるので、
もうずいぶん前に、古新聞に包んでシンク下に閉まってしまいました。
だから今は、
私の茶碗は、一輪挿しに有効活用です。
もうそろそろ散り際の花ではあるけれど、
寂しい一人暮らしを癒してもらうには充分です。