トラウマ(心的外傷)
旦那さんが元気だった最後の晩、
2人で、洗濯物を室内干ししたのを覚えています。
うちの場合、割とはっきり家事を分担していたので、
2人で共同で行なう家事は、食品の買い出しくらいでした。
洗濯に関しては、洗濯機に汚れ物と洗剤を入れてスイッチを押すまでは、私。
洗った洗濯物を干すのと、乾いたのち外して畳むのは旦那さんだったのです。
ですが、倒れる前の日(5月31日)は末日だったから、彼には仕事の〆があったし、
第一、体調がいまひとつという感じだったから、
私が洗濯物を干すのを手伝ったのです。
私が、「2人で干すと、早いねぇ」と言ったら、
「うん、俺もそう思う。」と言ったことを覚えています。
2人で干したら早い事を知ったばかりだったのに、
もう二度と、2人で干すことはありませんでした。
2人で干した洗濯物を、ハンガーから外して畳んだのは私でした。
確か畳んだのは、彼が亡くなった後だったと思います。
泣きながら、旦那さんのパンツや靴下を畳んだ記憶があります。
それとは別の記憶ですが、
保存のきく食べ物とか洗剤とか他愛もないものでしたが、通販を頼んでいて、
宅急便の到着日が、ちょうどお葬式の日に重なりました。
お葬式から帰ってきたら、確か不在通知がポストに入っていて、
後で改めて届けてもらったのだけど、
「これを注文した時はまだ、あの人が生きてたんだよなぁ。」とか、
「こんなに食品届いたって、もう食べさせる人いないもの。」とか、
段ボール箱を前にして、ペタンと床に座って泣き崩れたのを覚えてます。
なんと言いますか。
心が痛んだ記憶がトラウマのようになっていて、
トラウマって、日本語では「心的外傷」と訳すのだそうですが、
本当に心の傷になっていて、
何かあるたびに思い出します。
仕事など何かに夢中になっている時は思い出さないのだけど、
問題が何もない時って、苦しかった記憶を思い出します。
つまり平和な時は、私は刺激が欲しいのか。
今日、思いっきり過去の苦しみを思い出したということは、
つまりは現在、平和だってことで、
良しとすることにしましょう。