悲しい風景
仕事の帰りに、家に向かっているクルマの中から、
うちのアパートのベランダがよく見えます。
まっ暗やみでした。
クリスマス・イルミネーションは光っていませんでした。
去年の今日は、仕事帰り、家のベランダに光っているはずのイルミネーションが
楽しみで、わくわくしながら家に向かったものです。
旦那さんがベランダにイルミネーションを準備し終わっているはずで、
私が帰るころには奇麗に光っているはずなので。
家に帰ると期待通り、赤と緑のイルミネーションがキラキラ光っていました。
サンタクロースとトナカイさんのイルミネーションも虹色の星屑のハシゴを登っていました。
今年は同じ道を、悲しい思いで帰らなければなりません。
あぁもうすぐ、まっ暗やみのベランダを見なきゃならないんだなぁ…と思いながら帰路に着きました。
見た瞬間、私はどれだけ悲しい気持ちに囚われるんだろう…と考えただけで怖い思いになりました。
家が見える場所まで来て、
やっぱりイルミネーションは光っていませんでした。
まっ暗やみのベランダと
明かりのついていない我が家を見て、
とてつもない喪失感と孤独感に、
心が引きちぎられる思いでいっぱいになりました。