いつもとなりにいた人が…nekonezumiのブログ

2020年6月、いつもとなりにいた人が脳梗塞で虹の橋を渡りました。あっという間の出来事でした。

「虫の知らせ」の「ありがとう」

昨年の今ごろ、


もう旦那さんは、そろそろお迎えが来ることを、 


どうやら、わかっていたようなのです。


もちろん、脳梗塞というのは急にやって来るものだし、


病気のためにもうすぐ自分は死ぬ…という明確なものはなかったでしょうけど、


でも、なんだかどうも、わかっていたような気がするんだなぁ。





もしかしたら前に書いたかもしれませんが、


去年の母の日の直前に、


いきなり、私に赤いカーネーションを買ってきたのです。


「私、あなたの母親じゃないのに。


今までそんなこと、一度もしたことないのに。なんで?」


具体的にどういう会話があったかは覚えていませんが、


「感謝の気持ちだよ」と説明したと思います。




感謝の気持ち、といえば、


亡くなる2~3週間前あたりから、


旦那さんは夜、ベッドに行く前に、必ず私にお礼を言ってから寝るようになりました。


ちょうどそのころ、私はある資格試験の勉強をしていて、


ほぼ毎日、旦那さんより遅くベッドに入る生活だったのですが、


夜、私がリビングのテーブルを占領して勉強道具を広げていると、


旦那さんは寝室に行く前に、毎晩必ず、まっすぐ私のほうを向いて、


「大好きだよ。大事だよ。ありがとうね。」と言うのです。





少し前までそんな習慣はなかったし、


私は、「ん?ちょっとヘンなの」と思いながら、


深く考えもせず、


「はいはいはい、こちらこそ、いつもありがとね」などと


顔も上げずに言ったものです。


結局最後まで、


なぜ急に感謝の言葉を言い始めたか、理由は聞かないでしまいました。





旦那さんのお葬式で、お義母さまにお会いしたのですが、


旦那さんは母の日に、カーネーションを持って訪ねて行ったのだそうです。


きっと鉢を買う時に、ふたつ一緒に買ったものだと思います。


本当に久しぶりのことで、とても驚かれたのだそうで、


お義母様は「何か虫の知らせがあったのかも」とおっしゃっておられました。




私も同じことを考えました。


虫の知らせってあるものなのね。


自分の死…、自分の存在が消えてなくなるという悲しい予感。


説明はできないけれど、


見えないが、何か強烈なエネルギーが働くのかもしれません。


そうでなければ、カーネーションの贈り物は百歩譲るとしても、


死ぬ3週間前からの、寝る前の「ありがとう」は、説明が付かないような気がするのです。

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