旦那さんの座っていた椅子
以前は一緒に参加していた趣味の会合に、
最近はいつも一人で参加しています。
旦那さんが亡くなってしばらくの間は、
出席するたびに、
旦那さんが座っていた椅子が、いつもポツンと空席になっていて、
見るたびに悲しくなりました。
そして、何ヶ月経った頃だったかなぁ、
思いついて、私がその席に座ることにしたのです。
そしたらその席は、
「以前旦那さんが座っていた椅子」ではなくて、
「私がいつも座る椅子」になりました。
私が座っちゃってるんだから、
寂しい空席の椅子を見ることもなくなって、
悲しい思いをせずに済みます。
我ながら良いことを思いついたものだ、とちょっと悦に浸っていました。
今日、少し遅れていつもの会合に行ったら、
新しく参加した方がその椅子に座っていました。
あ…と思ったけど、それはそれで受け入れなくちゃと、
向かいの椅子に腰を掛けたけど、
会合中、ずっと気持ちはとらわれていました。
旦那さんが座っているようで、
今にも声が聞こえてきそうで、
笑顔が目に浮かび、
涙が出てきました。
まだまだ寂しいまんまです。
もうすぐ命日がやってきます。
思い出して、私はどれだけ泣くのだろう、と、
ちょっと怖い気持ちさえしています。