思い出写真
籍を入れなかった私のもとには、ご位牌はありません。
なので、遺髪の入ったフクロウの小さな陶器の小物入れと、
印刷して額に入れた写真が数枚。
それが、私が毎朝毎夕、
お花を飾ってお線香をあげて手を併せる対象(今の旦那さん)です。
青と金と白色の柄の小洒落た陶器のフクロウは、
一緒に行った旅先で旦那さんが買って帰って来たもので、
生前とても気に入っていたものだったので、
遺髪はすぐその陶器の小物入れに入れることにしました。
それから、旅先で撮ってもらった写真を一つ、
観光地のフォトフレームに入ったものを、フクロウのそばに置きました。
だけどしばらくして、何ヶ月経ったころだったか、
やっと、二人で撮り溜めた写真を見る勇気が出て、
旦那さんの写真を何枚か選んで、印刷したのです。
だから今、置いてある写真は全部で5枚。
グゥして笑っている、私の大好きな旦那さんが写っています。