馴染みの逃げ場
逃げ場所だったと思うのです。
旦那さんの姿と声のある場所は。
嫌なことや思い出したくないこと、から、私が唯一逃げられる場所でした。
職場で嫌なことがあるでしょ、そうすると、
帰りの車の中でも1シーン、1シーン、嫌なことを思い出しちゃったりして、
思い出したくないのに、こういうときばっかり、頭から追い出せなくなっちゃうのですよね。
でも、家に帰った途端、旦那さんの顔を見て声を聞いた途端に、
パッと考えが切り替わったものです。
今まで頭の中を占めていた嫌なことが、さ~っと無くなっちゃって、
旦那さんが笑わせてくれて、
旦那さんのニコニコ笑顔を見て、
さぁ、晩御飯の準備をしなきゃ…、なんてやっているうちに、
たいていその一日が終わってしまったものでした。
………。
まるでお酒か麻薬(?)みたいですね。
飲んだら、やったら、パッと全部忘れられちゃう。
現実逃避のためのドラッグみたい?
だけど、体や気持ちに何の害も無いのだから、そういうドラッグがあったっていい。
私にとって、本当に素敵な、馴染みの逃げ場でした。
いつもいつも、嫌なことがあるたびに、その逃げ場に駆け込みました。
でも、一度たりとも嫌な顔一つせずに、いつもニコニコと受け入れてくれた旦那さんでした。
今はその、効果てき面のドラッグが無くなっちゃったものだから、
何かあるたび、ひーこらひーこらしています。
嫌なことがあって、家に帰って来くれば、
キッチンに立ってもお風呂に入っても、
ほぼほぼずーっとそのことが頭から離れなかったりします。
あのバカヤロウ、辞めちゃえよ、なんて独り言言ったりしながら、頭からそのことが離れません。
だけどまた、明日が来れば、明日の風が吹くのかもしれませんね?
未来に起こる悲しい事も、予想はつかなかったけど、
未来に起こる嬉しい事も、きっと予想はつかないものね。
明日何が起こるかは、神様しか知らないし、
とりあえず明日も頑張って、仕事に行ってみます。