不思議な風
不思議なことがありました。
実は1週間ほど前に、仕事上の事で、
女性の上司に対してちょっと失礼なことをしちゃったのです。
(そんな大きなことじゃないですけど、お互いすこ~しシコリが残るかなぁ、程度のこと。)
上司は優しい人だし、その後お互い普通に接しているし、
だけど私の気持ちが冴えないから、
いつか二人になる時をねらって、一度ちゃんと謝罪をしようと思っていたのです。
だから、朝と夜、旦那さんの写真に手を併せる時、
ここのところ毎日、手を併せながら、上司とのことをお祈りしていました。
そしたら今日、
書類の整理のために、上司とふたりで書庫(というか倉庫)に入る機会があったのです。
不要の書類を整理するなんて、1年に一度あるかないかのことだし、
そうじゃなかったら倉庫に上司と二人で入るなんて、そうそうないことです。
だから、このチャンスを逃すまじ…と、
「えい!」と根性入れて、謝罪の言葉を言うことができました。
(私の気持ちはちゃんと通じて、とてもすてきな一日になりました。)
帰って来て、旦那さんの写真にお礼を言いました。
手を併せて、「謝るチャンスを作ってくれて、ありがとね」。
そしたらそのとたん、
暑い空気を逃すために明けた窓から、
突然すごい風が入って来て、
カーテンが、「ばっふん、ばっふん」と音を立てて棚引いたのです。
天気は晴れて穏やかだったのに、
急に強い風が吹いてきてとても驚いたのですが、
なんだかその「ばっふん、ばっふん」が、
旦那さんの祝福の声に聞こえてなりませんでした。
「よかったねぇ! 応援した甲斐があったよ! ちゃんと謝れたかい?」。
…… 旦那さん、ちゃんと私の事を見ててくれてるんだなぁ、と
すごく実感した瞬間でした。
今日のちょっと不思議な出来事で、
もう、ずいぶん前だけど、
旦那さんと一緒に経験した、もう一つの不思議なことを思い出しました。
2011年に起こった大震災で、
津波に襲われて小学生がたくさん亡くなった、
廃校になった当時の小学校を、見学しに行く機会がありました。
私たちが出向いた時、その廃校には、私たちのほかには誰もいませんでした。
その学校は海の近くにあるのだけど、
その日は、潮風が気持ちよいような晴天の日だったのです。
だけど、私たちが慰霊碑に向かって手を併せた時、
急にものすごい風が吹いてきました。
ほとんど立っているのが難しいほどの強風が、
たぶん5分に満たない程度の短時間でしたが、吹き荒れたのです。
そしてその後、急に風はピタッと止んで、
また、晴天の下、頬をかすめる潮風が心地よい、
そんな天気に戻ったのでした。
旦那さんも私も、あまりの天気の変わりように驚き、
それは、自然を越えた何かの意図を感じざるを得ないような現象でした。
そして、二人とも、
それが、亡くなった多くの子供たちの魂が起こした嵐だということに、
寸分の疑いも持ちませんでした。
そして、「私たちに、何かを訴えたかったんだね」。
「苦しいよ、助けてよって言いたかったのかもしれないね」。
私達ふたりとも、霊とかUFOとかはまるきり信じない現実的な人間なのですが、
その時だけは、「あれは間違いないねー、子供たちの霊だね」と言い合ったものでした。
……。
つまり、
要するに。
何を言いたいかというと。
死んでしまった人は、それで終わりなのでは絶対なくて、
だから、旦那さんはちゃんといつも、私を守ってくれてるんです!
大事で大好きな私を、いつも守ってくれてるんです!
だから、大丈夫。
何が来たって怖くない、……ってことです。
…… どうだ、わかったか。(……って、誰に?)