いつもとなりにいた人が…nekonezumiのブログ

2020年6月、いつもとなりにいた人が脳梗塞で虹の橋を渡りました。あっという間の出来事でした。

ちゃんと生きて行こうとしていること

気が付いてみたら、


普通に1人で暮らしています。


そして以前は2人でやっていた家事を、今は1人でやってるし、


亡くなった直後は、


「寂しくて辛いけど、とりあえず食べなきゃ…」と、料理なんてする気にもならず、


昼は職場で社食を食べて、夜はスーパーで買ってきたお弁当を食べてたのが、


今では毎日、普通に料理したり、職場にお弁当を持って行ったりしています。





お弁当ばかり食べてたのに、お料理をまたするようになったのは、


「野菜も食べなきゃダメだよ」って、


旦那さんが、神様に頼んでくれたのだと思っています。


もちろん自分でも心配になって、


途中から、時々生協のお料理セットを頼んで野菜を補うことはしてたけど、


今年の4月に異動になった途端、


本当に極々頻繁に、自家製の野菜を戴くようになりました。




みんな、私がひとり暮らしだということは知っているし、


それを理由に断ることもできるんだけど、


ついつい、ついつい、もらっちゃう。笑。



だって春はタケノコ、夏はズッキーニとかゴーヤとか丸ナス、トマトとか、


無農薬の新鮮な野菜を段ボールにひと箱、持ってきてくれるのです。



そして、たくさんもらっちゃった手前、


教わったりネットで調べたりしながら、


ちょっとだけだけど、レパートリーも広がりました。


この新しいメニュー、我ながら美味しくて気に入っており、


そうすると、旦那さんにも食べさせてあげたかったなぁ、と思ってしまいます。


あの人、必ず言ってくれたはずです、「ネコさんの作る料理はおいしいなぁ」と。






今日は、旦那さんが亡くなって初めて、


お砂糖を入れている瓶に、新しく砂糖を足しました。


料理するといっても簡単に炒め物とか焼き物が多くて、


お砂糖ってあまり使わない食生活になっていて、


(煮物はもっぱら、これうまつゆ~♪を使用笑)


でも今日、三温糖のビニール袋からお砂糖を入れ替えました。




お塩や砂糖を瓶に移す作業は、旦那さんの役目だったのです。


「はい、これ、頼むね」と袋と瓶を渡すと、


「うん」と言って、毎回おとなしくちゃんとやってくれるの。


断ったことなんてありません。


でもきっと、彼の心のなかには、


「いつもご飯つくってくれてるから、これくらいしなきゃね」という気持ちがあったのでしょう。


他にも、焼肉のプレートや鍋のコンロの準備とか、食事が終わったらゴミ出しとか、


そのテの仕事はほとんど彼がやってくれてました。




だから今日の、お砂糖のビニール袋の切れ目は、たぶん旦那さんがハサミで切ったんだし、


そして、その切れ目をゴム紐でしばったのも、旦那さん。



今日、私はそのゴム紐をといて、


砂糖袋をもモミモミして、砂糖を瓶に移しちゃって、


またひとつ、旦那さんの生きた跡を消しちゃったのですが、


それでも、前を向いてちゃんと生きて行こうとしてるんだということを、


旦那さんはわかってくれると思います。


ちゃんと料理もして、野菜も食べて、


ひとりだけど、ちゃんと生きて行こうとしていること、


あの人、わかってくれると思います。

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