10リットルのゴミ袋
唐突にゴミ袋の話です。
ひとり暮らしって、二人で暮らしているより、
ゴミの量も少なくなるんですよね。
考えてみれば当然のことではあるのですが、
最初は少し驚きました。
旦那さんは私より、随分あっさりした生活をしていたというか、
物に対するこだわりとかとらわれが小さいというか、
例えば鞄とか洋服とかは、どちらかと言えば高いものを少しだけ持ってて、
使いまわし、着まわしてる(?)感じでした。
そして一緒に生活していても、生活感をあまり感じない人で、
私はどちらかと言うと逆で、安物買いの銭失いを地でゆくタイプだし、
何かを買ってその包装紙を捨てたり、
その他もたぶん思いっきり生活臭が漂ってる感じで(?)、
私と旦那さんとは本当に真逆でした。
だから、生活感のない旦那さんが死んだ後、
ゴミの量が見事に「半分」になったことに、
ちょっと意外な感じがしたものです。
まぁ、考えてみれば、人間が二人からひとりに減ったのだから、
食べる量だって半分になるわけだし、
当たり前と言えば、そうなんですけどね。
だけど、「あの人って、私と同じくらいゴミを出していたんだな」と思ったら、
「へぇえぇ~。」という感じでした。
なので、思い出すと、
彼が死んで、一番最初にそれまでの生活と変わった点は、
初めて、住んでいる市の10リットルの可燃ゴミの袋を買ったことでした。
私の住んでいる市には、いくつかのサイズの可燃ゴミ用の有料ゴミ袋がありますが、
いくら週に2回可燃ゴミの日があっても、
二人暮らしをしていれば、20リットルから45リットルを使い分ける感じです。
だから10リットルのゴミ袋なんて、
(まず、売ってるスペース小さいですし、)あることすら知りませんでした。
初めて10リットルのを買ってみて、
あまりの小ささに驚いて、自分の出すゴミが入りきるか心配になったけど、
実際に使ってみたら、
(最初のうちなんか特に)ブカブカで余るほどだったです。
旦那さんが亡くなってすぐなんか、
食べなくちゃ動けなくなるから、食べてただけだったしね。
美味しいとかまずいとか、そんなの全然、興味もなかったです。
そして、他には何もしませんでした。
ただただ仕事に行って、帰って来てお弁当食べて、お風呂入って寝る、の繰り返しで。
何をする気力も起こらないし、
ヘタに何かしたら、それに関連する旦那さんの記憶を呼び戻すことになるから、
ただずっと、じっとしてるだけで。
同じ方向を向いて、長い時間動かずに、固まったままでいて。
毎日毎日、そんな暮らしを続けているわけなので、
多量のゴミなんか、出るわけもなかったです。
だから、そのころに比べたら、
今は随分まともな生活をしているなぁ、と自分でも思います。
美味しいものを食べたいと思ったり、
通販とかリアルでいろんな買い物してみたり、
たまに日帰りだけど旅行をしてみたり。
だから活動量が増えたぶん、
ゴミの量も、前に比べたら結構増えてきましたよ、笑。
もしその買い物や旅行の原動力が、
「寂しく空虚な現実から逃げ出したいため」であったとしても、
私としたら、今できることの最上限なので、
良しとしたいと思っています。