いつもとなりにいた人が…nekonezumiのブログ

2020年6月、いつもとなりにいた人が脳梗塞で虹の橋を渡りました。あっという間の出来事でした。

ほんとうはね。

前にもお話ししましたけど、


私はあまり、ひとに正直にものを言うほうではありません。


…というか、警戒してるのね、いつも他人を。


相手を信用していないから、すぐ守りに入ってしまうのです。


だから前の職場でも、「あなたはヘンなウソをつく癖があるね。」と上司に言われたことがありました。


しかも、すぐ相手にバレるようなウソなんだってさ。


主に職場など、自分の立場や利益を守る必要のある時に、本当のことを言わないクセがあるらしいです。




実は今日もそのクセが出てしまいました。


うちの職場で、今度、台湾に行く人が居て、その話で盛り上がっていた時です。


何が美味しいとか、どこを見たらいいのかとか。Wi-Fiはどうするの、とか。


彼女はツアーで行くそうなので、そんなに自分で勝手には決められないんだけれど、でも一応、いろいろ調べてワクワクしたいじゃないですか!


私もその話の輪に加わっていました。




私、旦那さんと海外には何度か行ったことがあります。


旦那さんが旅行好きだったのね。


だから、国内とか海外とか、私を連れてあちこち旅行に行くことが、彼の趣味でした。


(あ。念のため。私は彼に養ってもらっているわけではないので、旅行代はいつも割り勘をしていました。)




だから台湾にも行ったことがあります。


九分は素敵だったし、火鍋は美味しかった。


今、当時の写真を見てみたけど、ふたりとも本当にいい顔して映っています。




普通だったら、それを会社の人や友人に言うの、なんでもない事だと思うの。


どちらかと言えば、自慢げに話しちゃうんじゃない?


だけど、私、言えないんです。


そういうことは隠すことだと、小さな時から教わって来た。


それに、もし言ったらヒンシュクを買うと思っちゃう。


「事務員ごときが(!)。俺なんて日本から一歩も出たことないんだぞ!」。







そんなこと、誰も思わないってば。


だけど、それを信じられない。


そして、私のその気持ちの裏側には、とても高慢かつ傲慢な思いがあることもわかっています。 「ほんとうはね」。「実は、私はね」。


だから余計に隠す。 


それもまた、自分でわかっています。






職員たちが台湾の話に盛り上がっている間、


私はずっと、もやもやした気持ちでいました。 


そりゃそうだよ、私は行ったことあるんだから。


みんなが想像で話している(間違った情報も含め)こと、


ほんとうはね。 私、知ってるの。


ほんとうはね。 私、行ったことあるの。


だけど、それが言えない。


言う勇気がない。




弱いなぁ、私。


屈折してるわね、私。


おなじみの感情だけど、トイレで小さなため息をつきました。



だけど、ほんとうはね。


あたし、ウソなんか、つきたくないんだよ。


ほんとうはね。

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