いつもとなりにいた人が…nekonezumiのブログ

2020年6月、いつもとなりにいた人が脳梗塞で虹の橋を渡りました。あっという間の出来事でした。

勝手にしやがれ

朝9時に家を出て、持っていくお土産を買った後、


高速で、昼の休み時間に間に合うように病院に向かいました。




3月もそろそろ終わりになるのに、激しく雪が降っていて、


さすがに積もりはしないけれど、


でも空気は、この間12月に行った時と同じくらい冷えきっていました。



病院には12時半前につきました。


昼休みなので、患者さんも職員さんもほとんど見当たらず、


がらんとした空間が、もの悲しさを誘っています。


どうしようかとちょっとまごまごしていたら、


ちょうどよい具合に、


私を知っているリハビリの先生が通りがかり、


「担当の先生を呼んできてあげるよ」と言って下さいました。




少し待っていると、リフジン様が一人でこちらに向かってきました。


「今日はもう一人の先生は休みだから、オレ一人ですよ」。


「あ。」と思ったのは、彼がヘアスタイルをスポーツ刈りに戻していたからです。


この間12月に会った時の、


少しウェーブ掛かったようなパーマ?くせっ毛?のめちゃくちゃイケメン風の感じが、


短めのスポーツ刈りにクリッとした大きな目と精悍な眉…に戻っていて、


それは、「あぁ昨年の夏に出会った頃、こんな感じのガキンチョだったわ」と思い出す風貌でした。



それにしても、願いは通じるものです。


きっと旦那さんが味方してくれたんだ。


リフジン様と会えるだけでもラッキーなのに、


もう一人の先生が休みだなんて。


今日の私は、ものすごく守られています。


これでとりあえず充分、彼と二人で話をすることができる。


どんな展開になるにしろ、話さずには相手の気持ちはわかるものではありません。




すこし、前と同じように冗談を言って笑った後に、


本題の話をし始めました。


この間、12月に来た時に、急に会いに来て勝手にサヨウナラを言ったような感じになっちゃったことをまず謝りました。


そして、お互い性格が似ているような気がしていたから、話をたくさんしたかったことと、


よかったら、どこかでお茶でもしませんか? と言ってみました。




反応は早かったです。


まるで準備でもしていたかのようでした。


「オレは、仕事はプライベートに持ち込みたくない」。


私、もうあんたの ”仕事" じゃないでしょうよ、そんなのとっくに終わってるじゃないのよ。


彼はそれを私に言った時、(無意識に?)何度も何度も私に頭を下げました。




彼の反応は覚悟と予想をしていたため、


この機に、今まで4ヶ月間ずっとくすぶっていた想いをちゃんと彼に話そうと思っていました。


「自分が女としても貴方を慕っていた」ことを告げ、


そしてそれが話せてよかった、気持ちがすっきりした、と言いました。





これは本当の気持ちです。


言えて本当に良かった。


女性として、貴方を好きだったこと。


年齢の差を考えると、ずっと口に出せなかった。


だけど。言えた。


本当にスッと喉のつかえがとれたような気がしたし、


そして、その気持ちとも、とうとう今日でサヨナラです。








からかうように2~3回、言ったのね。


「あぁ~~、この間来た時は、髪の毛長くてマジでカッコよかったのにぃ~~」。


そうすると、その度に彼は言うわけですよ。


「いや、オレはこの短いほうが楽なので…」。


そこで例えばさぁ、「え。なんでぇ」とか、「悔しい」とか言ったら可愛げがあるじゃないのよ。


「いや、オレは短いほうが楽なので…」って身も蓋もないような事を言う。


それに私、感ずいていましたよ。


貴方の話し方はもう、以前とは全く違っていましたね。


他人行儀な話し方。


私に寸分の隙も見せないような、そんな話し方に変わってしまっていましたね。




だから私、別れ際、立ち上がりながら言ってやったのです。


「ほんとに最後まで、可愛くないこと言うわねぇ~~。」って。




「最後まで」。


本当に、今日で「最後」です。


あなたと楽しくお喋りできる機会も。この熱い気持ちとも。


「だけど義足屋さんと約束して、1年後にまた来るかもよ。


そしたら挨拶くらいはしてよね?」と言いました。



そして歩き出し、含み笑いをしながら、


「ふ。……でもやっぱし、可愛いよ。」と思わず声に出しました。


最後の、最後ぐらい。


せめて少しはカッコつけさせてくれ~~♬🎵(^^♪

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