いつもとなりにいた人が…nekonezumiのブログ

2020年6月、いつもとなりにいた人が脳梗塞で虹の橋を渡りました。あっという間の出来事でした。

思い出の場所

去年のこの時期、もうすぐ父の日だから、


離れて住む実父にいつものとおり菓子折りを送らなきゃ、と、


旦那さんが亡くなって半月も経たないのに、


まるで気持ちも足もずるずると引きずる思いで、


近くのデパートの食品売り場に出かけたのを思い出します。




今年は今日、去年と同じデパートで、いつものお菓子を父に送る手配を済ませて帰ってきたところです。


1年前のあの頃に比べたら、これでも本当に元気になったものだ…と、


我ながら、感心します。





今年の父の日は20日だけど、カレンダーを見たら、去年の父の日は21日だったんですね。


だから去年もちょうど今頃、デパートに出かけたものと思います。


あまり良く覚えていないんだけど、


何を想いながら、あのデパートの中を歩いたんだろう。


どんな表情をして歩いてたのかしら。


たぶん表情は固まったまま、一点を見つめて歩いていたに違いありません。


なんだかあまりに絶望が過ぎて、


まともに考えたり感じたりすることができなかったような、感覚がマヒしていたような記憶があります。




ありがたかったのは、仕事をしていたこと。


とりあえず毎日行かなきゃならない場所があって、


少しばかりですが、必要とされていたこと。


それがなければ、私の事だから誰とも会わず、多分、半病人のように寝たきりの生活になっていたような気がします。




実は近々そのデパートは閉鎖が決まっており、


来年の父の日には、別のお店から菓子折りを送らなければなりません。


そのデパート近辺は、旦那さんともよく買い物に行ったり、近くでお祭りがあったりで、


本当に思い出深い場所でした。


旦那さんとの思い出の場所が無くなることが悲しくて、寂しくて、


クルマに戻ってから、しばらく涙が止まらなくなりました。


そうやって、いろんなことがあの頃とは変わって行ってしまう。


だんだん、思い出さえ消えていってしまう。




それが諸行無常ということだけど。


生きているということなんだけど。

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