心が傷つくこと
先週、同僚のお母さんが亡くなった記事を書きましたが、
お母さんのお葬式を終えて、昨日初めて、彼女が出社してきました。
職場の一人一人に挨拶をして回る姿は、
疲れが顔に出ていて本当に気の毒でした。
その後しばらくして、彼女を囲んで数名の女性社員が雑談をしていて、
何故だか話がスポーツジムの話題になったんですよね。
そしたら彼女が急に、ちょっと上ずったような大きな声で、
「私、もうこれからはジムに行けるよ。お母さん死んじゃったから。」
と言ったのです。
彼女はもちろん冗談を言ったわけではないし、
会話は一瞬止まって、私もびっくりしたけれど、
御幣を恐れずに言えば、
それが彼女の本音だろうな、と思いました。
高齢で病弱なお母さんを、彼女はずっと面倒を見ていたようです。
だから、行きたいところや、やりたいことは、
面倒を見るために、どうしたって制限されていたはずです。
「お母さんが死んでしまって、
行きたいところに自由に行けるようになってしまって、
なんて皮肉で悲しい事なんだろう…」。
私には、彼女の心の叫びのように聞こえました。
私の場合は、旦那さんが急死だったせいで、
看病や介護の経験はなくて済みましたが、
彼女と同じ経験をされている方は大勢いらっしゃるはずですよね。
改めて、人の死というのは本当に辛い…というか、
家族の死によって、
どうしたって人の心は傷ついてしまうものなんだなぁ、と。
旦那さんの命日だから余計に、考えさせられた一コマでした。