忘れるということ
もうすぐ3年経つからか。
加齢も手伝って(笑)、いろんなことが思い出せなくなっています。
…といっても、とても小さなことですけどね。
この洋服は、あの人が居るうちに買ったものだったかしら?とかね。
その程度の事なんだけど、そういうことが、最近とてもあやふやになってきています。
とても小さなことではあるのだけど、
でも仮に、あの人が生きているうちにこの家にあったとすれば、
あの人が見たことのある洋服なわけで。
…とすると多分、私が着たところを見たこともあるわけだし、
そうすれば、似合ってるとか似合ってないとか、思うところもあったはずで、
それにあわよくば、この洋服を洗濯して干すときに、
もしかしたらあの人が触った洋服かもしれない、
なんてね。
いろいろ想像は膨らむわけで、
たかだか1枚のブラウスだとしても、
あの人が居るうちに買った洋服であるかどうかは、私にとっては大問題。
買った時期によっては、思い出の品物にもなるわけです。
前は、いろんなことをすっかり覚えていたのだけど、
最近、だんだん年月が経ってきてしまって、
前ほど鮮明に思い出せなくなりました。
ただし、忘れることというのは人間の一種の能力だそうですから、
そうやって少しずつ、苦しみもまた薄れていくという事なのでしょうね。
合掌。