復元する力(レジリエンス)
旦那さんが置いて行ってくれた…引き出しの中に無造作に入っていた本…を、
読んでいました。
渡辺和子さんというシスターが書かれた本です。
気になる一節がありました。
「苦しみのさなかに入ると 苦しみはもうなくなって
ただ生きるという事だけだった。
(中略) 苦しみの正体をあれこれ詮索したりしているうちは
まだ自分に余裕がある証拠であって、
苦しみのさなかに入ってしまうと、ただもう生きることで精いっぱいになってしまい、
気が付いた時には、苦しみはいつの間にか自分の後ろにあったように思います。」
苦しみが自分の後ろにある…というのはちょっと理解に苦しむのですが、
今の私の状態が、それなのかもしれません。
苦しみは、以前のように生々しいものではなく、心の底に固着してしまっています。
ともかく、旦那さんを失ってしばらくの間は、ほんとうに「苦しみの真っ最中」であって、
私も、生きることで精一杯でした。
あんまり、考えてない。…というか、考えられないし、考える気力がない。
だから、「もう寂しくて苦しくて生きるのが嫌だ」とさえ考えることができませんでした。
ともかく、息を吸って、ご飯を食べて、
会社に行って、会社から帰って来て、お風呂に入って、眠りは浅いけど横になる。
その繰り返し。それだけをしていたような気がします。
人間が本当に苦しい時って、苦しい事さえ自覚できなくなるらしい。
あんな体験は生まれて初めてでした。
どなたかのブログを読んでいて、「レジリエンス」という言葉に出会いました。
日本語にすれば、「復元力」の事だそうな。
配偶者を失った悲しみのどん底から復元する力。
以前読んだ「家族を亡くしたあなたに」という本にも同じようなことが書かれていましたが、
今、もう一度、レジリエンスについて書かれた本を読んでみようと思います。
「OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び」という本です。
アマゾンで頼んだら、明明後日には着くらしいです。