決心と罪悪感は、思ったほどじゃなかったです。
今日は一日、なかなか激しく雨が降っています。
今も少し風が吹いているらしく、雨戸がゴトゴトいっていて、
室内干しの乾燥機がゴォゴォ音がしていて、
しかも今、W杯で日本対ドイツをやってるから、
テレビの音を大きくしてあり、
何かあったらすぐ隣の部屋に行けるようにしてあります。
こんなにあちこちから、いろんな音が聞こえてくるなんて、
今はもう、あまりないことだから、
ふと、二人で暮らしていた頃を思い出しました。
思い出すと言えば、
今日、家から小道を通って、国道に出たところで、
サイレンを鳴らして、救急車が後ろから走ってきました。
私は左に寄って、救急車を先に行かせたところで、
2年半前に、旦那さんと私を乗せた救急車が、
同じ道路を同じ方向に走って行ったことを思い出しました。
そしたらやっぱり涙がでます。
でもここのところ、久しぶりで流した涙だった気がします。
救急車に乗せられて、
「大丈夫だよ、大丈夫だよ」と、
呂律の回らなくなった舌で、私と自分自身に言い聞かせていたあの人。
それを私、起こっている状況がよくつかめないまま、
「大丈夫じゃないでしょー。」と叱るように言ってしまった。
まさか死ぬなんて思わなかったから。
そんなこと、まだまだ先の事だとしか思わなかったから。
何十年も生きてきて、後悔することは山ほどあるけど、
あんなに心が痛む大きな後悔って、他にはありません。
今日は一つ、今までできなかったことをしました。
私、テレビを録画しておいて、後から楽しむ趣味があるのですが、
USBがいっぱいになってきちゃって、
録画してある番組を削除する必要が出てきたのです。
旦那さんが居た時から使っていたUSBで、
あの人が録画した番組もたくさん残っていました。
今までは全部消さずにとっておいてあったのですが…。
何とか空き時間を作るために、自分が録画したものばかり削除して2年半。
だけどそろそろ、
「もう、旦那のも消そうかな。」と思う日が来たのです。
録画を取っておいても、あの人はもう絶対に見ないんだから。
残っている録画番組を見るたび、旦那さんを思い出して心が痛むなら、
いっそのこと、消してしまったほうがよい。
全部なんて消さないですけどね。
日付順に並んでいると、旦那さんが録画したものがわかっちゃうから、
あいうえお順に並べ替えて、
自分の興味のないものを消す、やり方にしました。
そして、空き時間が20時間ぐらいになったところでやめておきました。
こういう日が来るって、わかってはいたけど、
思ったほど「決心」が必要だったり、罪悪感が出たりせずに済みました。
自分でも意外なほど、抵抗なくパッと消しました。
でも、消したと言っても一部だからね。
だから、あんまり苦しくないのかもしれないです。